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「自社ホームページをリニューアルする」
その担当者に任命されたり、ある程度大きな規模の企業さんであればホームページ委員会なんてものが発足されたりすることがあります。
しかし、リニューアル経験がなければ「何から手をつける?とりあえず制作会社をネット探して呼ぶ?」ってのがほとんど。
実はこの何も決まっていない状態で制作会社を呼ぶと、二度手間三度手間を引き起こす可能性がぐんと上がります。
その手間を減らすための事前準備が、今回フォーカスを当てるRFP(提案依頼書)です。
関係部署が多かったりする中規模以上の企業さんの場合は尚更あった方が良いので、ご一読ください。
簡単な方法としては以下に記載しています。
今回は予算感やスケジュール等々を含めて、突っ込んだ感じで記載していきます。
なぜ提案依頼書(RFP)を作成するのか?
お金を支払う発注者がなぜ資料作成しないといけないのか?と感じる方も多いとは思いますが、「どんなことをしたいのか?」というイメージは発注者にしかわかりません。
上記の記事にも記載していますが、複数の制作会社からバラバラの条件で提案されてしまうと、結局再提案の機会を設ける必要があったりするので、Web担当者さんがスムーズ且つラクにリニューアルを進行するために必要な資料だと言えます。
RFPを作成することで、得られるメリットは大きく2つです。
提案依頼書(RFP)を作成するメリット
RFPを作成するのはWeb担当者さんにとって手間ではあります。
しかし、もちろんWeb担当者さんにとって大きなメリットがあるので、そこをまず把握していただきたく思います。
制作会社と条件・要件を共有し、提案の判断基準を明確にする
Webサイトリニューアルを実施する際に、おそらく複数の制作会社に見積もり提案を依頼するかと思います。
その際、提案前にRFPを制作会社と共有し、リニューアルの目的や条件といった要件を把握してもらう必要があります。
目的や条件、こんなことをしたいという要件を口頭で伝えると、認識や受け取り方の違いにより、勘違いした提案が提出される可能性が高まります。
そして最も担当者さんが困ってしまうのは、要件も漏れです。
要件の漏れは提案時に一見わからないこともあったりするので、発注後の追加改修が発生してしまうケースもあります。
お金のことで担当者さんが会社と制作会社との板挟み状態になってしまうことを事前に回避する役割も果たします。
また、一定の条件下で比較すると条件を満たしているか否かを効率的に判断でき、満たしている制作会社の中で単純比較ができるので、コスト削減にも一役買います。
「めっちゃ良いけどめっちゃ高い!」とか「めっちゃ安いけど、これ大丈夫なの?」といった、提案&見積もりが出てきたけど、困った。。を回避することができるわけです。
社内の情報共有・調整・証拠としても力を発揮する
Web担当者さんが四苦八苦しながらリニューアルを進行し、ようやくまとまりつつあるデザインを社長や役員といったえらい人に確認すると、「何か違う。作り直し」なんて一言でひっくり返るケースは多々あります。
そうなると、追加コストの稟議のし直しやスケジュールの組み直し、そもそもリリースに間に合わない…と様々な作業や懸案事項は発生します。
こういった巻き戻しを回避するために重要なのは2点です。
・事前に目的や条件を共有し、共通認識を構築しておく
・言った言わないのトラブルを防ぐためにエビデンスを残す
Web担当者さんは事前に上層部を握っておかないといけません。
逆にえらい人からしても、いきなりデザイン出されて「OK?」と聞かれても、そりゃ意見はあるはずです。
もちろん進行ごとに承認が取れるのがベストですが、そうもいかないと思うので、大枠は必ず握っておくべき。
その握る作業がRFPの作成と共有です。
リニューアルがスムーズに完遂するためには制作会社との連携だけでなく、社内の調整(根回し)も重要です。
RFPを活用して、社内のえらい人、関係各所とのイメージと認識をすり合わせましょう。
RFP(提案依頼書)を作成する7項目
1.提案の範囲
まずは何に関する提案を求めているのか?を明確にする必要があります。
リニューアルであれば
・対象URL
・対象タスク範囲(デザイン・コーディング・システム構築・サーバ保守等々)
上記2点は最低限必要です。
2.リニューアルの目的
リニューアルには必ず目的があるはずです。既存サイトのデザインを改善してコンバージョン率を改善。UI/UXを改善してユーザビリティを向上させる。
もしかすると既存の更新システムを改善して、更新運用コストの削減かもしれません。
「何を目的としてリニューアルを実施するのか?」がわかるように目的を記載します。
3.現状サイトの課題
現状サイトが抱える課題をなるべく具体的に記載します。
「更新システムが使いづらい」「デザインが古びて見える」「コンバージョンしないので売上に貢献しない」等々・・
もし可能であれば、
「大規模なサイトになりつつあり、更新システムMovableTypeの再構築時間がかかりすぎるので解消したい」
「デザインがWeb2.0時代のものなので、サイト幅、要素のデザインを現在のトレンドに合わせ、レスポンシブ化、AMP化を実装したい」
「コンバージョンページに到達するユーザー数が少ないので、ユーザビリティを向上させ、コンバージョンページへの誘導率を改善し、コンバージョン率を改善したい」
など。詳しく書けるのであれば、なるべく詳しくまとめてみましょう。
この際、根拠となるアクセス解析データ等も添付すると、より具体的な提案が得られます。
この「現状サイトの課題」に関しては、上層部、更新担当者さん、営業さんから意見を貰うと、Web担当者さんの気づかなかった課題を得られる可能性もあります。
4.リニューアルにかける予算
大体の予算は提示しておいた方が良いです。
Webサイトの制作費は「安かろう悪かろう」であることは間違いないですが、「高かろう良かろう」というわけでもありません。
ざっくりとした金額であったとしても、提示があれば、制作会社はその中で高品質な提案を持ってきます。
そうすることで、比較検討が容易になります。
しかし、予算を提示することで提案に制限を持たせたくない場合は、予算上限は柔軟に検討すると記載しておけば問題ないです。
もっと言うと、「予算上限を超える提案がある場合は、予算以内提案及び予算以上提案の2パターンを受け付ける」とすれば、制作会社はより柔軟な提案が可能です。
5.制作スケジュール
これはリリース日だけではなく、下記4つが必要です。
・提案日
・制作会社選定期間
・正式発注日
・リリース予定日
制作会社にリソースを確保できるゆとりがあるのか?を確認するために必要なスケジュールです。
スケジュールによっては実現可能な機能が限定されたり、そもそもリソースが確保できないようであれば提案をもらっても意味がありません。
発注側でリリース日が決まっていないようであれば、「2018年〇月ごろ ※応相談」としておけば問題ないかと思います。
6.開発環境
使用しているサーバや開発言語を記載しましょう。
しかし分からない場合も多いと思います。
レンタルサーバだったりするとレンタルサーバ名とプラン名を記載すれば制作会社は勝手に調べます。
独自サーバだったりすると、現在のサーバ管理会社に事前確認が必要です。
サーバによって使える機能や要件が変わりますので、独自の場合は必ず確認が必要です。
7.不明点や相談内容等の備考
上記でわからなかった情報や、現象はわかるけど、どうしたらいいのかわからないことは多々あるかと思います。
「(例)コンバージョン数を改善したいが方法論は提案ください」等
そういった内容もRFPに記載しておけば、制作会社との打ち合わせも効率的且つ有益なものとなります。
まとめ
ここまで自分で書いておいてなんですが、「面倒くさいだろうなぁ」と思っています。
RFPは無駄な巻き戻しや、意見齟齬による停滞を防ぐためにも、コスト削減やスピードアップを補助するためにも、すごい重要で、大事なんですが、いざ書けと言われると面倒ですね。
弊社ではRFPの制作からお手伝いすることも多くあります。
お客様にはヒアリングだけさせていただいて、RFPを作成提出。そのRFPでよーいドンをするケースです。
Web担当者さんの中でRFP作るのめんどいなぁって方がいらっしゃいましたらお気軽にお声がけください。
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