Contents
少し前に、弊社では制作していないオンラインショップの運用に入った際、上手く機能した例を紹介します。
まず運用を受けた時点での状況が以下です。
1、集客に関しては、GOOGLE広告を中心としたPPCが中心
2、初期制作から半年経過するが、デザイン、構成等は全く初期のまま
3、広告運用は自社内
4、毎月の売り上げが毎月の広告費より下回っている
コロナによって対面販売が苦しくなった結果、ネットショップを慌てて始めたはいいものの、上手く活用できていないという例です。
ここ最近こういった現場に立ち会うことが多くなっていますので、ご紹介します。
重要なのは原因追求が可能な環境
上記の例の場合は難しいことにアクセスの状況を確認するGoogle Analyticsが導入されておらず、レンタルカート側で確認しているということだったので、最初に行ったことはGoogle Analyticsの導入し、原因追求が可能な環境づくりからでした。(レンタルカートやサーバのアクセス解析ツールは知り得る情報が少ないです)
とにかくこれからネットショップを始める人、もう始めている人は最低限Google Analyticsは導入しておいてください。
1ヶ月放置して営業赤字を重ねてから素材となるアクセス確認して、そこから改善では到底クライアントさんは納得していただけないので、ぱっと見でわかる範囲で広告側から着手していきました。
Google広告でまだやっちゃいけないやつ
Google広告は大昔からある広告手法ですが、ここ最近ではとても使いやすく改良に改良が重ねられています。
ただ、非常に簡単に設定ができるスマートアシストキャンペーンだけは、まだ手をつけてはいけないと筆者は考えています。
このスマートアシストキャンペーンは設定が非常に簡単で、短時間で設定が完了し、適切な広告手法をGoogle広告が判断し、広告出稿してくれます。
一見、自社で広告運用するための味方なのでは?と考えがちですが、通常のキーワードを一つずつ設定する方法と違い、どの手法のどのキーワードの広告がどのような成果を上げて、うまくハマっていない広告は何なのか?が皆目わかりません。
では、そのスマートアシストキャンペーンで上手くいかなかった場合、改善方法は何なのか?となると、Google広告さんの最適化待ちとなってしまいます。(細かくいうとキーワードのテーマを変更したりは可能です)
ちなみに今回のネットショップさんは、スマートアシストキャンペーンを利用し、初月に少しだけ広告から売り上げを上げています。なので、広告費を2倍、3倍と増やしていったのですが、そこから初月の売り上げから右肩下がりに低迷して、約半年間の間、Google広告さんの最適化が上手くいっていませんでした。
事業者さんからすると10万円の広告で20万円売り上げたから、30万円なら60万円!と思いがちですが、今回に関しては増額分はニーズとずれた層に不適切に出稿されてしまっていたようです。
全てにおいてこうなるという訳ではないですが、こういった点からして広告の成果が把握できず、事業者側でコントロールできないスマートアシストキャンペーンは一旦封印して、地道にキーワードを設定し、出稿することから始めました。
キーワード設定に切り替えただけで売り上げが1200%強になった
そもそも商品力のあるネットショップだったので、広告を検索キャンペーン(キーワード広告)に切り替えただけでネットショップの売り上げは向上しました。
ただ、この時点がこのネットショップの最低限のポテンシャルです。
この時点の状態は
1、最低限ニーズのあるユーザが訪れてくれている
だけです。
このネットショップがユーザのニーズに高い水準で応えているかは、また別の話です。
環境を整えた状態でこれからできることは多くあります。
アクセス(広告)
1、キーワードの最適化(キーワード内容の精査)によるニーズずれの排除
2、高い成果を上げるキーワードの入札価格面での調整による良質なユーザ流入の拡大
ネットショップ内部
1、(複数カテゴリの商品がある場合)キーワードごとの適切なランディングページへの最適化
2、離脱率(直帰率)改善に向けた内部構造の改変
3、キーワードによって判明したニーズに対するアンサーコンテンツの拡充
ざっと挙げるだけで、これだけあります。
今回はたまたま検索キャンペーンに切り替えただけで、成果が上がりましたが、上手く成果が上がらなかった場合でも、なぜ上手くいかなかったのか?が数字でわかるので、闇雲に広告費を増やすのではなく、数字に基づいた仮説→検証のプロセスを踏むことが可能です。
内部構造を弄ったら更に230%売り上げが向上した
翌月、検索キャンペーンの最適化と共に実施したのが内部構造の改変です。
「内部構造の改変」というと仰々しく聞こえますが、やったことは以下3点だけ
1、従来のカテゴリーを排除し、検索キャンペーンに合わせたカテゴリーに変更し、カテゴリーに合わせたキーワードごとにカテゴリー商品一覧トップにランディングさせる
2、商品詳細のレコメンド(おすすめ)をカテゴリーに絞って設置
3、ネットショップの売れ筋商品群が実店舗と異なったため、ネットショップ全体としてプッシュする商品群を変更(メインビジュアルや商品の掲載順などを調整)
実際の作業費としては10万円もかかっていません。
たったこれだけでも売り上げは左右されます。
ネットショップ運用で重要なのは決断と行動
今回はトントン拍子に上手くいった例ですが、ネットショップを成功させるのに重要なことは、責任者の決断力と行動力です。
今回は数字を基にしたことでクライアントさんも納得して売れ筋商品群を変更することにGOサインを出してくれましたし、カテゴリー分けも実店舗とは全く異なる形で切り分けたので、再三「違和感がある」とおっしゃってましたが、それも試しに・・ということでGOサインを出してくれました。
1 |
<strong>ネットショップ運用で最も障害になるのは、せっかく数字が出ているのに変更しないことです。</strong><br> |
理由は様々ありますが、1番多いのは「決めきれない」なのではないかと考えています。
一度失敗しているとなかなか新しい一歩を踏み出せず、変化しない数字だけ重ねてしまいがちです。(変更するには大なり小なりお金もかかりますし)
ネットショップを制作して、上手くいっていない。放置気味になっている。何をしたらいいのかわからない。という方はまずはGoogle Analyticsを導入し、ネットショップの現状は把握する必要があります。
そしてその数字から「何をすべきか」「どうしたら改善されそうか」「そもそもこの数字じゃ少なすぎる?」といった思案を巡らせ、何かを変えてみてはいかがでしょうか?
アクセス少なければ、アクセス増やすために広告打つなり、SNS活用するなり、やり方は無数にありますし、アクセスある程度あるのに成果がないならどこに問題があるのかをGoogle Analyticsと睨めっこして、出した仮説を実行してみれば、大きく変わるかもしれません。
あなたのネットショップが上手く稼働していないのは「動かしていない」からではないでしょうか?