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企業におけるホームページの位置付けが重要になるにつれて、ホームページ制作だけでなく、その後の運用、特にアクセス解析を重要視する企業さんも増えてきました。
企業内でアクセス解析ツールを確認し、問題意識を持った上で、お打ち合わせに挑まれるWeb担当者さんも多くいらっしゃいます。
そこで、お客様から聞いたことがあるアクセス解析の誤解をここにまとめます。
01.訪問別のページビュー数を増やしたい
ページビュー数を増やしたいという依頼は多く頂きます。せっかく来てくれたユーザーさんが平均2ページではとても寂しいという気持ちはわかります。
しかし、ここでの大きな誤解は、ページビュー数とコンバージョンは相関関係にないということです。
ページビュー数は重要なページを分割させたり、多くの人が確認する会社概要を第三階層に配置するだけで簡単に増やすことができます。しかし、そんな感じでページビュー数を3倍にしたところで使いにくくなるだけでコンバージョン数が増えたりすることはないでしょう。
重要なのは、「漠然とページビュー数を増やす」のではなく「営業力の強いページのページビュー数を増やす」です。
こういった成果と相関関係にない数値を目標としては徒労に終わってしまいます。
02.直帰率を下げたい
ページビュー数と並んで多いご依頼が、この「直帰率を下げたい」依頼です。
当然、直帰率は低い方がいいかと思いますが、多くの場合がGoogleアナリティクスのユーザー概要を見ておっしゃいます。
とあるサイトのユーザー概要データです。(要するにサイト全体データ)
例えばこのWebサイトは直帰率72.88%で改善すべき内容ですよね。
先ほど挙げたページ/セッションも1.83とかなり低いです。
しかし、このサイトはSEOのみの自然流入のみでコンバージョン数500前後で、コンバージョン率は1.5%前後を推移しています。
なぜこんなことが起きるのでしょうか?
このWebサイトはトップページではなく、8割以上のユーザーが商品紹介のページに直接ランディングしています。
そしてそのまま問い合わせフォームや電話するので、ページビュー数は少なくなります。
徹底的に商品紹介ページを改善したことで、このような数値を生んでいます。
このようにランディングしているページ自体がユーザーの目的ページであるようであれば、直帰率はおのずと高くなります。
ブログからランディングしているセッションが多い場合も同様に全体の直帰率は高くなりますね。
こういったケースでは直帰率はコンバージョンに関する指標になりえません。
もちろん、重要なページの直帰率が高いと判断されるようであれば改善は必要です。
ケースバイケースだとお考えください。
03.リニューアルでユーザビリティが向上したか計測したい
リニューアルをして使いやすくなったかどうかを計測したいという依頼ですが、これはアクセス解析ではわかりません。
各数値ごとの解釈に違いがあることが原因です。
例えば「訪問別ページビュー数が減った」という現象があったとします。
Aさんの解釈は「目的のページにたどり着きやすくなったからページビュー数が減った」
Bさんの解釈は「今までよりも見づらいから、多くのページを見てもらえなくなった」
もちろんホームページリニューアルの前後比較でどの程度の変化があったのかの計測は可能です。
個々に仮説検証をすることは可能ですが、ユーザビリティ(使い勝手)はアナリティクスに指標が無い以上、定量的計測ではなく、定性的なユーザビリティテストなどで検証する必要があるかと思います。
04.(direct/none)が多いから、ブックマークされている
結構ここを誤解されている方も多いのですが、「direct/none」は別にブックマークだけではありません。
以下に少し詳しく解説します。
「集客」>「すべてのトラフィック」>「参照元/メディア」をクリックしたら出てくる数値です。
どこからきたセッションであるのか?示す指標です。
そして「direct/none」とは参照元のページがない。もしくはわからないセッションです。
参照元のページがないというのは例えば以下
・URLの直接打ち込み
・アプリからの訪問
・ブックマークからの訪問
・メールマガジンからの訪問
・URLサジェストをクリックして訪問
ちょっと最後のURLサジェストだけ下記に図解します。
サジェストとは上図のようにURLを入れていると途中で補助してくれるアレです。
これらが主に「direct/none」の「direct」部分です。
「none」に関してはわからないもしくは教えない参照元です。
最近のSSL化(通信の暗号化)によって、セキュリティ上参照元の情報が送信されない場合、「direct/none」と表示されます。
単純に「direct/none」が多いのはファンが多いと判断するのは危険です。
05.アメブロなどのアクセス解析は信用してはいけない
「アメーバブログでこんなにアクセスがある!」と感じている方がいるとしたら、それは真実ではありません。
アメーバブログ等についているアクセス解析は、ブログを使い続けてもらうために水増しされています。
一説には250倍水増ししているとも言われているので、もう水増しとかいうレベルじゃない。
ちなみに私ははてなブログをしています。
そのはてなブログにGoogleアナリティクスを導入しているのですが、約20%ほど水増ししてるっぽいですね。
まだ良心的な方。
真実を知ってしまうと残念ですが、フリーブログのアクセス解析は信用してはいけません。
06.月間200アクセスですが、どう分析すればいいですか?
例えば200アクセスってことですけど、アクセス(セッション)数が少ないうちは、解析はできません。
どうしても母数が少ないと解析精度が低いですし、月間200アクセスって1日6アクセスですから、6アクセスを上手く動かそう!じゃなくて、単純に集客面に力を入れた方が賢明です。
1,000オーバーくらいから意味を成してくるかと思います。そうなるとコンバージョン率0.5%でも5件くらいはコンバージョンあるわけですし、それらの最大化をやれます。
私はスタートアップのサイト(新規制作や「よし!これから頑張るぞ!」)っていうサイトの運用が好きなんですが、まず行うのは集客です。
アクセス解析は母数有りきです。まずは見てもらえるようになってからアクセス解析を始めましょう。
07.平均滞在時間が0秒?
「これって一瞬で閉じたってわけですか?」
「googleのロボット(クローラー)ですか?」
「アナリティクスのバグですか?」
お客様側で憶測が飛び交ったりしている平均滞在時間ですが、0秒と表示されるのはgoogleアナリティクスの滞在時間の計測方法にあります。
ページA(10時00分にページを表示)
ページB(10時05分にページを表示)
離脱(10時07分にサイトから離脱)
こんな動きをしたユーザーがいたとします。
普通に考えると
ページA(滞在時間5分)
ページB(滞在時間2分)
ですよね?
しかし、離脱は自サイトURLではないので、Googleアナリティクスはカウントができないのです。
googleアナリティクスはあくまでも、アナリティクスのコードが埋め込まれたページしか計測できません。
離脱は次のページが無いので、ページBの滞在時間は0分となります。
だから直帰率100%のブログは滞在時間は0:00:00と表記されます。
このことからも平均滞在時間は実数とは異なりますので、参考程度で考えるべき指標と位置付けて問題ないかと思います。
まとめ
当てはまる!?となった方のちょっとしたきっかけになればうれしいです。
客観的に評価してくれるデータとても重要です。しかしそのデータを正しく解釈し、正しく使わなければ、間違った方向に突き進んでしまうかもしれません。
弊社ではアクセス解析を中心としたWebサイトの運用改善をサービスとして提供しています。
作るだけで良しとしない方はお気軽にお声がけください。