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無数に存在するネットショップの中で勝ち抜くためには、競合との差別化が必要です。
では、「具体的な差別化」とは一体何なのか?
今回はネットショップの他社との差別化を実現する4つのポイントについて記載します。
ネットショップの差別化を実現するポイントとは
最初に答えから。
ネットショップの差別化に置いて、大きい要因は以下の4つです。
- 価格
- カスタマーエクスペリエンス
- 商品点数
- 商品力
まず、勘違いして欲しくないのは、全ての項目を満たしていなくても戦えるということです。
もちろん全てにおいて強いネットショップが理想ではありますが、そうではなく、どこかに特化して強化していくことで、強み(特徴)が明確になるという場合もあります。
あなたのネットショップが苦戦しているのであれば、今後どのポイントなら強化が可能で特徴が活きるのか?ということを現状を正確に把握して判断する必要があります。
では、前段を挟んで、上記4つのポイントを解説します。
「これを買う」ではなく「ここで買う」理由が必要
例えば特殊な電子機器の部品や建材等々、本当に「ここでしか買えない」という商品だけを独占販売できているケースは希です。
多くのネットショップは他社ネットショップとの比較が大前提となるはずです。
例えばオリジナルブランドのベビー用品であったとしても、ベビー用品は世の中に無数に存在し、価格、デザイン、品質、信用性等々の多くのポイントで比較されます。
しかし、多くのネットショップでは「ベビー用品のネット通販の市場性(ニーズ)」は調べても、無数に存在するネットショップの中で「なぜ自社ネットショップが選ばれるか(差別化)」を深く検討しないケースが多く見受けられます。
よく聞くのが「このネットショップが売れているから、うちでも売れるはずだ」という意見です。
もちろん、その可能性はあります。
しかし、なぜその競合のネットショップは売れていて、御社のネットショップでは売れていないのか?という点を伺っても答えは返ってきません。
その答えは無数にあるでしょうが、ただネットショップのデザインをリニューアルしても解決しないことも多いのではないでしょうか?
ネットショップ運営者にとって最も重要なのは「この商品を買う理由」ではなく、「このネットショップから買う理由」なのです。
このネットショップで買う理由【価格編】
全体の5割前後は価格比較で商品を購入します。
価格はネットユーザーの約5割が重視するポイントです。
なので、価格で勝負できるのであれば、低価格であることを前面に押し出していくべきです。
価格勝負ができるということは約5割のユーザに対してアドバンテージがあることを示しています。
しかし、多くの中小企業は大手企業に対して幅広い商品群で価格勝負することは困難です。
中小企業は競争力のある一部の絞り込んだカテゴリで低価格であることを訴求することで、大手の価格に挑むことが現実的でしょう。
ここで重要なのは、一定のカテゴリでは常に低価格であることを訴求することです。
一度の購入で終わってしまっては、十分な利益を獲得することは困難です。
リピート購入してもらうためには、このカテゴリ商品は低価格であること以上に、「常に低価格である」ということを訴求することが重要です。
このネットショップで買う理由【カスタマーエクスペリエンス編】
大多数のユーザーは他のネットショップで同じ商品、もしくは類似商品を簡単に購入することができることを知っています。
ゆえにユーザーは比較し、価格競争が発生するわけですが、一部の消費者はカスタマーエクスペリエンス(CX)が購入の決め手になります。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは
カスタマーエクスペリエンス(以下、CX)とは、「顧客(=カスタマー)としてのあらゆる体験」を指す言葉です。つまり、サービス・製品を認識してから購入を検討、購入した場合はそれを使用するという一連の流れのすべてにおける体験のことを意味しています。
似たような用語でUXなんかもあったりして、少しわかりづらいので、例をあげます。
例)
Mac book Airを持っているとしましょう。Mac book Airを使用することで得られる体験をユーザーエクスペリエンス(UX)。Apple storeをネット検索し、購入し、使用するという体験すべてはカスタマーエクスペリエンス(CX)となります。
当然、顧客満足度は高い方がいいので、CXは重要なわけですが、実はネットショップでは、このCXがまだまだ不十分であることが多いです。
とても簡単な話ですが、人が物を購入する際には必ず下記の3ステップを経由します。
- 購入検討
- 購入
- 購入後
ネットショップ管理者さんの多くは「1と2」すなわち「購入するまで」を重視し、SEOで検索されやすくしたり、商品を探しやすくしたり、カート落ちしないようカート周りに気を使ったり・・・と苦慮します。
しかし、CXで重要なのは購入後も含まれます。
商品の発送までのスピード、商品の梱包、サンクスカード、購入後のメール対応等々。。
リピート購入を促すためには、誕生月特典や、過去の購入金額に合わせた特典も効果的でしょう。
「うちは購入後もちゃんとしている」とお考えのネットショップ管理者さんも一度見直してみてはいかがでしょうか?
事実、米国オラクル社の調査では顧客の89%が不満足なカスタマーエクスペリエンス(CX)が原因で他ブランドに乗り換えた経験があると回答しています。
89%ですよ!?もうほとんどの人が「イラッ」として「ここではもう買わない」と判断しているわけです。あなたは11%である絶対的な自信はありますか?
新規顧客の開拓にもCXは重要ですが、それと同等にリピーターの確保にもCXは重要な役割を果たします。
このネットショップで買う理由【商品点数編】
これは言わずもがなですが、アマゾンが成功している理由の1つに商品点数の豊富さは必ず挙げられます。
圧倒的な商品点数は他のネットショップとの差別化になりえます。
しかし、当然ながら大企業であったとしても、「何でも揃う大型ネットショップ」になれるわけではありません。
先ほどの価格に近しい方法ですが、商品点数で勝負するのであれば、特定のカテゴリでの商品点数の豊富さを強化するべきです。
「このカテゴリの商品ならどこよりも商品点数が多いネットショップ」
は十分、他社を圧倒する強みになります。
ただ、商品点数が多い場合、気をつけなければならないのは、商品の探しやすさです。
ネットショップで購入しなかった理由ランキング上位に必ずランクインするのが「欲しい商品が見つけられなかった」という理由が挙げられます。
「簡単に見つけることができる」のは大前提の要素となります。
このネットショップで買う理由【商品力編】
ここで論じる商品力とは「いい商品である」という意味ではありません。
はっきり言えることは「いい商品」でなければ売れませんので、「いい商品」=「世の中にニーズのある商品」であることは前提となります。
ここで論じたいのは「希少性」と言い換えた方がいいかもしれません。
例えば、独占販売権を持っている場合などです。
独占販売権とは、日本において独占的に販売することが約束された権利なので、日本市場においてはライバル不在なわけです。当然、他社との差別化になり得ます。
もちろん、その商品(ブランド)の知名度が向上しないことには独占販売権も意味を見出しづらいですが、「ここにしかない商品」=「このネットショップで買う理由」になり得るので、その価値はうまく活用するべきでしょう。
こういった場合は、ネット上での多店舗展開には注意が必要です。
Eコマースに力を入れている企業の場合、自社ネットショップだけでなく、楽天、Yahoo!ショッピング、アマゾンといった多店舗展開しているケースが多く見受けられます。
商品の希少価値は多店舗展開することによって薄まります。
特にアマゾンに関しては、「アマゾンの〇〇ってお店で買った」ではなく、「アマゾンで買った」という認識になってしまうので、アマゾンで売っている時点で、希少性はかなり損なわれます。
販売窓口を多く持つことは重要なことですが、販売窓口を多く持つことによって失われる価値も検討して出店(出品)することが重要です。
まとめ
あなたのネットショップで買う理由はあったでしょうか?
もちろん、先に論じた通り、1つに特化することは非常に難しいですが、バランスよく強化することによって、他社との差別化を実現する必要があります。
多くのネットショップ運用をしてきましたが、「普通のネットショップ」では売れなくなってしまっていることは明らかです。
ユニークな自社の強みを磨き、差別化を実現することで、ネットショップのブランディングを確立していくことが、売れるネットショップになるための条件となりつつあります。