
以前から「プレスリリース=PR TIMES」という認識はあったものの、ずっと手を出していなかった。最近Web広告でもちらほら見かけるようになり、「大した金額でもないし、一回やってみるか」という気持ちで出稿してみた。
本記事ではPR TIMES出稿によって得られた「数値的な効果」と「推測されるSEO・LLMO(AI対策)効果」を正直にまとめる。
なぜPRTIMESに出そうと思ったか?
実際やってみないとわからないことも多い、というのが一番の理由だ。
加えて、弊社が以前「20のECサイトを対象にした大掛かりなユーザビリティテスト」を実施しており、その結果が割と興味深い内容だったので、ネタとしてもちょうどいいタイミングだった。

配信したプレスリリースの概要
2026年5月21日、ECサイトのユーザビリティ調査レポートをPR TIMESで配信した。
対象は20のECサイトを合同でテストした際のデータ。
費用は30,000円(1投稿プラン)。
配信後の数字
PR TIMESの管理画面(配信から約1ヶ月後)で確認できた数字は以下のとおり。
- 訪問者数:1,294
- 転載サイト数:21
- フォロワー数:0
訪問者1,294という数字は一見悪くないが、これはPR TIMESのページ自体へのアクセスであり、自社サイト(sib-lab.jp)への流入とは別の話。
転載サイト数についても、初めての投稿なので多いのか少ないのかは正直わからない。
転載されたメディア
21サイト(媒体)に転載されたが、その内訳は以下のとおり。
ランクSは全国紙・キー局系、Aはビジネス系メディアとして認知度が高いもの、Bはアグリゲーター・ニッチ系で整理。
| ランク | 媒体名 |
|---|---|
| S | NIKKEI COMPASS(日経) |
| 毎日新聞デジタル | |
| 時事ドットコム | |
| TBS NEWS DIG | |
| FNNプライムオンライン | |
| テレ東プラス | |
| A | 東洋経済オンライン |
| PRESIDENT Online | |
| 現代ビジネス | |
| NewsPicks | |
| @DIME | |
| B | Infoseekニュース |
| ニコニコニュース | |
| JBpress | |
| 財経新聞 | |
| STRAIGHT PRESS | |
| Mapionニュース | |
| とれまがニュース | |
| ジョルダンニュース! | |
| SEOTOOLS | |
| BtoBプラットフォーム 業界チャネル |
自社サイトへの流入はどうだったか
GA4で確認したところ、配信直後のスパイクで約46PVを記録したが、その後はすぐに平常に戻った。自社サイトへの流入としてはほぼゼロと言っていいレベルだ。
もう少し目立つ位置にリンクを置けば結果は違ったかもしれないし、「新商品・新サービスのプレスリリース」であればクリック率は大きく変わる可能性はある。ただ今回のような「調査レポート」の場合、仮にクリック率が5倍になったとしてもPVは200程度。記事を読んでサイトへ飛ぶという導線にはなりにくい媒体だ。
Google Search Consoleで確認した被リンクの実態
ここが今回一番興味深かった結果だ。
PR TIMESに記載のリンクはrel=”nofollow ugc”であり、リンク評価(PageRank)を渡さない記述となっている。
(※HTML直書きで属性を変える裏技がないか探してみたが、おそらくできない。)
一般的にはnofollowリンクはSEO的な被リンク効果はないとされている。
ただし、Googleは2019年以降nofollowを「絶対に無視する」から「ヒントとして扱う」という方針に変更した。
実際、nofollowにもかかわらずGoogleサーチコンソールの「最新のリンク」に転載メディアのURLが複数表示されていた。
日経・毎日・時事といった権威性の高いドメインからのリンクであれば、nofollowであってもGoogleが何らかの形で認識している可能性はある。
ただしこれが順位に直接影響したかどうかは計測できない。相関は確認できても、因果関係の証明は難しいのが正直なところだ。
どうしてPR TIMESはnofollowにしているのか?
少しだけ話がズレるが、通常のリンクにしてしまえばSEO効果があるよ!と謳えるのになぜPR TIMESはわざわざnofollow処理をしているのだろうか?
自分が事業主だったら・・・という想像で3つの理由を考えてみた。
1. スパム対策
PR TIMESは費用を払えば誰でもリリースを出せるプラットフォームなので、被リンク目的で質の低いリリースを大量に出す業者が出てくる。もしdofollowにしていたら「PR TIMESに出せばSEO効果が得られる」という乱用が加速する。それを防ぐためのnofollowだ。
2. Googleへの配慮
プラットフォーム側がdofollowリンクを大量生成する構造はGoogleからペナルティを受けるリスクがある。Googleは「有料リンク」や「大規模なリンクスキーム」をガイドライン違反としており、PR TIMESとしてはnofollowにしておく方が安全という判断だ。
3. ugc属性を付けている理由
企業が自分で投稿したコンテンツとはいえ、PR TIMESというプラットフォーム視点では「ユーザーが生成したコンテンツ」に該当するためだ。
つまりPR TIMESにとってnofollowは「善意」とかではなく、自社プラットフォームを守るための判断。もしdofollowだったらPR TIMESは被リンク販売業者と同じ扱いになるリスクがあった、ということでもある。
期待する効果と実情
プレスリリースによって期待する効果は大きく2つに分類される。
- 認知度を向上させ、プレスリリースからのサイト流入を増やす(実数)
- 被リンクによるSEO的効果
では実情はどうだったか。
1のサイト流入は前述のとおり、ほぼ無いに等しい。プレスリリースの内容やリンク位置によって変わる部分はあるが、今回に関しては効果なしと判断していい。
2の被リンクによるSEO的効果は「半分あった」と考えている。rel=”nofollow ugc”が付いているため明確な被リンク評価とは言えないが、Googleが2019年以降nofollowをヒント扱いにしている以上、完全にゼロとも言い切れない。またE-E-A-Tの観点では、リンク評価よりも「大手メディアに掲載された事実」そのものが信頼性の担保として機能する可能性がある。
PR TIMESは「あり」か「なし」か
SIBLABとしての結論はこうだ。
- ユーザー誘導の数:なし
- SEO的効果:半分あり
- 副次的効果:たぶんあり
流入はほぼ期待できない。
転載された大手メディアのリンクがGSCに表示されたのは事実だが、それが順位に与える影響は限定的だと思う。
一方でSEO以外の副次的な効果はある。
- 大手メディアへの掲載実績をサイトや営業資料に記載できる
- 会社の信頼性・権威性の補強材料になる
- リリースの内容がAI検索に参照される可能性がある(LLMO的な観点)
ただ、弊社(代表)の性質上「大手メディアに掲載!」と大々的に言うタイプでもないし、営業資料のテンプレートもないので、弊社単体で見ると副次的効果の恩恵は薄い。
ただ「信頼性・権威性の補強」と「AI検索への参照」については話が変わってくる。
もしこれが効いてくるとすれば、プレスリリース以外ではなかなか補えない部分なので、コストパフォーマンスとして悪くない選択肢かもしれない。
まとめ
- 自社サイトへの直接流入:約46PV(配信直後のみ)
- 大手メディアへの転載:あり(ただし全部nofollow)
- GSCへの被リンク表示:あり
- 順位への直接効果:不明
- 信頼性・実績としての価値:あり
「PR TIMESを出せばユーザーがいっぱい来る・SEOが強くなる」というのは過度な期待だ。ただ、発信手段のひとつとして組み合わせて使う分には意味があると考えている。
弊社では自社を実験体にして、ホームページ制作後のSEO・LLMO対策についてもご支援しています。
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