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この度、ファーストサーバ社が提供するZenlogicが長期に渡りサーバ障害を起こしました。
ファーストサーバ社は数年前に利用者のサーバ内のデータを丸ごと吹っ飛ばした黒歴史のある会社です。
今回も6月19日から7月頭にかけて高負荷状態が続き、ついに7月6日から7月9日までサーバの完全停止を実施しました。
こんな対応をしたサーバ会社は他には知りません。
Zenlogicの今回の件で過失に対する対応について色々考えることがあったので、自分への戒めも含め記述します。
なぜ黒歴史があるのに使い続ける企業が多いのか?
そもそも黒歴史があるにも関わらず、なぜ使い続ける企業が多いのでしょうか?
Web制作会社も含め、多くの企業が今なお使い続けるのには下記2点が考えられます。
簡単にサーバ移動はできない
Web制作会社がお客さんのサーバ管理を行っている場合、そう簡単にサーバ移動はできません。
なぜなら数十、数百レベルのアカウント数が、そのサーバで管理されているわけで、サーバ移動すればデータの移動作業やメールの再設定など多くのタスクが発生します。
おいそれとは載せ替えできないというのが本音ではないでしょうか。
一度やったからこそ「次はない」と考えられる
これがWeb制作会社にとっては最も大きい理由だったのではないでしょうか。
一度とんでもない事故をやらかしているからこそ、入念な対策が練られ、「次はない」と考えられるのではないか?ということです。
今回しっかりとこの期待を裏切ったわけなので、かなりZenlogicとしては苦しい状況なのではないかと思いますが。。
過失に対する対応について
Zenlogicの今回の事例について特にまずかったんじゃないかと思うことが2点ありましたので、まとめてみます。
1、障害期間の予告なしの延長
サービス停止期間が当初の終了時刻から13時間ほど予告なしに遅れました。
「まだやるんや・・」と思いましたが、これはクライアントさんの怒りを増大させてしまったような気がします。
土日が休みの企業の場合、「土日使えないのは困るけど、仕方ないとしよう」と判断した企業も多くいました。
しかし、蓋を開けたら月曜日の深夜までサービス停止となったことは大きい問題でした。
最初の想定が甘かったんでしょうけど、「できないサーバ屋」の印象を強めてしまった気がします。
2、謝罪・報告文に「Yahoo」出まくり
まぁわかる。実際Yahooの基盤使ってるわけだから、当然出てくるとは思います。
でも、読めば読むほど「Yahooのせい」にしている印象を受けるのと、「自社では何ともできない」Yahoo丸投げ感がありありと伝わりました。
本当に短い期間でしたが、新人の頃にカスタマーサポートの部署にいたことがありますが、その時に教えてもらった唯一のことが「クレームには絶対言い訳をするな」でした。
事実であるからある程度は仕方ないと思いますが、書き方(伝え方)については改善の余地があるような気がします。
特に丸投げ感は今後クライアントを不安にさせてしまうような気がします。
自分への戒めについて
まぁミスは無いに越したことはないですが、「ミスをしない」なんてことはありえません。
ミスに対する対応という意味で、今回考えさせられる点は多くありました。
弊社はたまたま直接Zenlogicを使ってませんが、運用先のお客様は使ってらっしゃいましたし、弊社と直接契約関係の無い方が任せていた制作会社の対応が不満で、弊社に乗り換えるといったケースもありました。
今回は結局14社の対応を行いましたが、対応一つで逆の立場もあり得たと思うので、デリケートな対応の場合は気をつけないとと感じる一件でした。