
ChatGPTやClaudeを使ってブログ記事を書かせている会社が増えています。
コストと時間の削減という意味では合理的な選択ですが、やり方を間違えるとSEOで大きく損をするケースがあります。
この記事では実際にSIBLABが支援したクライアントの事例をもとに、AI生成コンテンツのリスクと正しい使い方を解説します。
クライアント様との関係性
クライアント様とはアクセス解析で支援しており、SEOに関してはノータッチだった。
月例のミーティングのため、レポート作成に着手したタイミングで数値の悪化に気づき、調査した。
GoogleはAI生成コンテンツをどう評価しているか
まず前提として、GoogleはAIで書かれたコンテンツそのものをペナルティの対象にはしていません。
Googleが評価するのは「コンテンツの質」であって、AI生成であること自体はペナルティの対象ではありません。ただしGoogleはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を重視しており、一次情報や著者の専門性が薄いAI生成コンテンツは結果的に低評価になりやすいという現実があります。
AIの記事生成において問題になるのは、AIに任せきりにすることで発生するコンテンツの方向性のズレです。
AIは与えられたテーマに沿って記事を生成しますが、サイト全体のテーマや専門性を考慮して書くわけではありません。
その結果、意図せず「専門外の会社」とGoogleに判断されるケースが起きています。
AIに記事を書かせると起きがちな問題
一次情報がない
AIは学習データをもとに文章を生成するため、実体験・実数値・実案件といった一次情報が入りません。
どこかで読んだことのある内容の組み合わせになりやすく、他社との差別化が難しくなります。
キーワードカニバリゼーションが起きやすい
AIで記事を量産すると、似たテーマの記事が複数生まれやすくなります。
同じ検索意図に対して複数の記事が競合すると、Googleがどちらを上位表示すべきか判断できなくなり、評価が分散します。
誤った情報が混入する
AIはハルシネーション(もっともらしい嘘)を生成することがあります。
特に数値・固有名詞・最新情報での誤りは、そのまま公開すると信頼性を損ないます。
サイトの専門性がブレる
最も見落とされがちなリスクがこれです。
AIに記事を書かせ続けると、「何を書くか」よりも「何が書けるか?」に比重が傾き、AIなら何が書けるか?という論点で検討してしまいます。
それによってサイト全体のテーマが拡散し、Googleが「この会社は何の専門家か」を判断しにくくなります。
実例:クロス専門の内装会社が水回りリフォーム会社と誤認された
SIBLABが支援している建築内装クロス屋さんで、実際に起きた事例をご紹介します。
その会社はブログ記事をAIで生成していました。
内容自体は施工事例の紹介で、間違いではありません。
お客様からのアンケート内容を読み込ませて生成していました。
ただし施工実績の中に水回り(トイレ・キッチン・洗面所)のクロス張り替えが2ヶ月ほど多く含まれており、AIがそれを記事にし続けた結果、「水回り」「リフォーム」関連のキーワードが記事全体に増殖していきました。
問題の発覚
気づいたきっかけは月例のミーティングのレポートを作成しようとGA4データを閲覧した時でした。
問い合わせはゼロになり、同時に滞在時間が著しく低下していることも確認されました。
Search Consoleで検索パフォーマンスを確認すると、本来上位を取っていた「クロス」関連キーワードが圏外に落ちていました。
一方で「水回りリフォーム(トイレ・キッチン・洗面所)」関連キーワードで上昇傾向が見られました。
Googleがこの会社を「クロス専門の内装会社」ではなく「水回りリフォーム会社」と判断し始めていたのです。
原因
AIが水回り施工事例を記事にし続けたことで、サイト全体のキーワード比率が変化していました。
「クロス」よりも「水回り」「トイレ」「キッチン」「リフォーム」の記述量が増え、Googleがサイトのテーマを誤認した可能性が高いです。
しかし、最も大きな問題はほぼノーチェックだったことが挙げられます。
対処したこと
すべての記事テキストを「クロス」に集中させる方向で修正しました。
「水回り」「トイレ」「キッチン」といったキーワードの比率を著しく下げ、内部リンクのテキスト(アンカーテキスト)も「トイレの内装貼り替え」などから「トイレの内装クロス貼り替え」といった具合に全件書き換えました。
結果
修正から約3ヶ月でクロス関連キーワードの順位を取り戻しました。
もともとクロスで上位を取っていた実績があったため、内部リンクの調整だけで比較的早く反応が出ました。
問い合わせと滞在時間は一時的にゼロ近くまで落ちましたが、現在は元の70%程度まで回復しています。
AIを使いながらSEOで損しないための使い方
AIを使うこと自体が問題なのではありません。
任せる部分と人間がやる部分を分けることが重要です。
AIに任せていい部分
- 記事の構成・見出しの生成
- 下書きのたたき台作成
- 文章の校正・言い換え
人間がやるべき部分
- 一次情報・体験談・実数値の追加
- サイト全体のテーマとの整合性チェック
- 既存記事との被りチェック
- 公開前のファクトチェック
- 文体・トーンの調整
特に「サイト全体のテーマとの整合性チェック」は見落とされがちです。
1本1本の記事では問題なくても、積み重なるとサイト全体の専門性がブレます。
今回の事例はまさにこれが原因でした。
AI生成コンテンツとLLMO(AI検索対策)の関係
SEOだけでなく、AI検索(ChatGPT・Perplexity・Gemini)の観点でも同じリスクがあります。
AIは一次情報・著者の専門性・構造化データを重視して情報を引用する傾向があります。
AIが書いた記事は体験談や専門性の裏付けが薄くなりやすいため、AI検索で引用・紹介されにくくなる可能性があります。
「AIで記事を量産してLLMO対策をする」という発想は逆効果になりかねません。
AIに引用されるためには、人間の経験と専門性が込められたコンテンツが必要です。
こんな症状が出たら要注意:チェックポイント一覧
Googleに誤認されていないかチェックするポイント
- Search Consoleで想定外のキーワードが上昇していないか
本来狙っていないキーワードで順位が上がっていたら誤認のサイン。 - 狙っているキーワードの順位が突然落ちていないか
専門キーワードが圏外に落ちた場合、サイトのテーマがブレている可能性がある。 - 問い合わせ内容が本業と関係ない内容になっていないか
「水回りリフォームの相談」が来るようになったら誤認が現実化している状態。 - 滞在時間・直帰率が急激に悪化していないか
ターゲット外のユーザーが流入するとエンゲージメントが下がる。
キーワードカニバリゼーションを疑うチェックポイント
- 同じキーワードで複数ページが検索結果に出ていないか
Googleでsite:ドメイン キーワードで検索して確認できる。 - 順位が安定せず乱高下していないか
AページとBページが交互に順位変動している場合はカニバリの典型。 - 表示回数はあるのにクリックが取れていないか
今回のケースのように、CTRが異常に低い場合はカニバリが疑われる。 - 同じテーマの記事が複数存在していないか
記事一覧を見渡して、タイトルや内容が近い記事がないか確認する。
まとめ
AIは記事作成の強力な補助ツールですが、任せきりにするとサイトの専門性がブレ、SEOで損をするリスクがあります。今回の事例のように、問い合わせがゼロになってから気づくケースも珍しくありません。
AIを使うなら「構成はAI・中身は人間」という役割分担を意識し、定期的にサイト全体のキーワード傾向をSearch Consoleで確認する習慣をつけることをおすすめします。
コンテンツ戦略やアクセス解析でお困りの方は、SIBLABにお気軽にご相談ください。

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