アクセス解析

ホームページの目標設定を無茶ぶりされたら読む記事

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今回はホームページの適正な目標数値の出し方について。

突然上司に「目標を出せ!」と言われても、Web担当者さんだってどの辺が適正なのかよくわからないのが現実だと思います。

Webマーケッタによって意見の分かれるところかと思いますが、一つの考え方のご参考になれば。

 

目標設定の手順として

やり方は様々かと思いますが、私がクライアント様の目標数値を設定する流れは以下です。

1、クライアント様の目標数値の希望を伺う
2、それらを実現するための大まかな数値を提示する
3、クライアント様が無謀だと気付く
4、クライアント様に現実的な目標数値と大まかなスケジュールを提示する
5、クライアント様が少し悲しそうな顔をする
6、バランスとって理想的目標(長期)と現実的目標(中期)で設定し着地

大体こんな感じです。

Web担当者さんはわからないからとりあえず…みたいな感じで目標を掲げます。

しかしその「とりあえず」がとんでもなく大きい数字であることも多いです。

 

ちょっと例を挙げて説明します。

クライアント様によっては、問い合わせが月に1件程度の状態で「最低でも月に10件くらいは…」みたいなことをおっしゃいます。

現状から10倍改善するわけです。

10倍良くするってどういうことか、単純にアクセス数で考えてみましょう。

仮にアクセス数が500だった場合、アクセス数を5,000にしないといけないわけで、

広告を打つとしたら、1クリック単価を100円としても

4,500アクセス×100円=450,000

毎月45万円です。

そして、広告の方がオーガニック検索よりもコンバージョン率(成約率)が下がる傾向にあるので、実質は5,000以上のアクセスが必要です。

ざっと55万程度。

間違いなく非現実的ですよね。

ホームページを営業マンに例えることが多いですが、営業マンにいきなり目標売り上げ10倍を求める経営者はいないのではないでしょうか?

 

上記を現実的にするには

現状アクセス数500で月1件の問い合わせであればコンバージョン率(成約率)は0.2%

ホームページを改修してコンバージョン率を0.4%にし、アクセス数を広告で1,000稼ぐことができれば

アクセス数1,500で6件の問い合わせです。

広告費は1,000アクセス×100円=10万円

 

一気に現実的になったのではないでしょうか?

当面6ヶ月間程度の目標は上記が現実的。

※アクセス数だけからコンバージョン率を持ち出すのでずるい論法ですが。。

 

現実的な目標値を算出するためには

Web担当者さんが現実的な目標を出す際に考慮すべき点は以下3点です。

1、アクセス数

2、コンバージョン率

3、ホームページ内のウィークポイント

素材として考慮するのは上記3点。

では先ほどのアクセス数500、コンバージョン数1、コンバージョン率0.2%の上記例を軸に検討します。

 

まずは理想的な目標値(上記で言うところの月10件)を設定し、

それらを実現するためにはどの程度のアクセス数が必要か割り出します。

そのためにはコンバージョン率も必要になるので、現状のコンバージョン率も考慮します。

※コンバージョン率(成約率)って?
アクセス数に対して何パーセントの人間が成約するか?を割り出した数値
コンバージョン数(1)÷アクセス数(500)=コンバージョン率(0.2%)

 

そして、目標値のアクセス数を獲得するために必要な施策を検討します。

「目標値を出せ」という指示は多くの場合、短期的目標であることが多いので、「コンテンツマーケティングによるSEO対策」なんかは計画に盛り込んではいけません。

あくまでもSEO対策は「長期的目標」

全ての施策に言えることですが、上手くいくか否かは定かではないですし、そう短期的に成果を実感できるものでもないです。

短期的目標の中でアクセス数増加がマストの場合は、あくまでも広告コストをベースに検討すべきです。

※SEO対策は重要な施策なので、長期的目標の施策には入れるべきです。

 

ここまでで上記の

1、アクセス数

2、コンバージョン率

は確認できました。

 

次に3、ホームページ内のウィークポイントを洗い出します。

ここのポイントで、どれだけコンバージョン率を向上できそうか予測しますので、大事なのはここからですよ!

 

単純に広告を使ってアクセス増やしてコンバージョン数を増やすのは芸がないですし、仮に成果が出ても「広告やめる=成果なくなる」は中長期的にみるとあまりにもお粗末です。

また、目標を達成して次の大きな目標に移行する際、固定の広告予算(例えば月間10万とか月間30万とか)の中で、やりくりしている以上、10万を20万、30万を50万のように広告予算を増額しないことにはアクセス数を劇的に向上させることはできません。

 

ここでお分かりいただいたかと思いますが、広告施策は自社内に蓄積されるノウハウではありません。

短期的にも長期的にもWebマーケティング施策は自社内の資産として蓄積されるものでなければなりません。

 

そこで重要になるのが、ホームページ内のウィークポイントの改善です。

営業マンに例えるとアポ数だけ増やすのではなく、営業マン自身の営業力を鍛える施策です。

鍛えるためにはまず弱点を把握する必要があります。

そしてこの弱点を調査する際に「平均滞在時間」や「平均ページビュー数」を挙げる方がいますが、これらは避けるべきです。

なぜなら成果に直結しない要素だから。

平均滞在時間が30秒増えたら成果が上がりますか?

営業マンの営業時間が30分から60分に増えれば成約率が何パーセントか上がるのでしょうか?

答えは「わからない」だと思います。

ページビュー数も同義です。

営業マンが多くの資料を見せたところで、取れる営業は取ってくるし、取れない営業は取ってこない。

成果には直結しません。

 

私は個人的にはこれらの直結しない要素を「間接要素」と呼んでいますが、

長期的には滞在時間もページビュー数も長く多いことに越したことはないので、間接要素対策は必要です。

しかし、短期的には必要ありません。

 

では特に確認すべきポイントとは何でしょうか?

2つのステップに分けてお話しします。

ホームページ改善のファーストステップ

・ランディングが10%以上のページの直帰率

・主要ページ設定と離脱率

ファーストステップのポイントとしては上記2点のみで十分です。

 

ランディングが10%以上のページの直帰率

GoogleAnalyticsの場合はだと以下を確認

 

 

まずはランディング(ユーザが最初に着地(ランディング))ページの直帰率を確認します。

トップページが1位で2位以下を大きく引き離しているかもしれません。

ここでは改善する価値があまりない総アクセスの10%未満のページは無視します。

※トップページ以外は10%未満というホームページも多いので、その場合はトップページのみの直帰率を確認。
※月間総アクセス数が50,000を超える場合は7%まで考慮に入れる

重要なのは「ホームページ全体の直帰率」なんて気にしないことです。

あくまでも重要なのは全体ではなく各ページ。

もっというと多くの人が入ってきているページです。

ここで直帰率が60%(一般的目安)以上の場合は改善を検討します。

 

例えばトップページランディングが1,000アクセスあって、直帰率が60%なのであれば、セカンドページまで閲覧したアクセス数は400回。

直帰率が5%下がるだけで450回。

要するに50もの有効訪問が増加します。

これは規模が大きくなればなるほど、インパクトが大きくなります。

直帰率の改善をせずに広告で50の有効アクセスを獲得しようとすると

単純な算数ですが、上記です。

しつこいようですが、1クリック100円なら

125アクセス×100円=12,500円

広告で新たに集客することを考慮すると効果はより大きくなります。

ここで意識を新たにしていただきたいのは、アクセス数が必要なのではなく、有効なアクセス数が必要なのだということです。

そしてその有効なアクセス数を増やすためには、外(集客=アクセス)を増やすのか、内(直帰率=サイト内改善)を行うかを検討すれば物事は単純化されます。

 

主要ページの離脱率

慣れないうちはちょっとややこしいですが、直帰と離脱は違いますからね!?

あと主要ページって何?ってのも追って説明するので、まずこんがらがらないでください。

 

■直帰と離脱の違い

直帰と離脱の違い

 

要するに

最初に入ったページからどこにも移動せずに離脱するのが直帰

最初に入ったページからどこかのページに移動してから離脱するのが離脱

言い回しは似てますが、内容は似て非なるものなので分けて考えます。

 

さて、直帰と離脱の違いを把握していただいた上で、「主要ページ」を定義します。

ここでいう主要ページとはページビュー数が多いページではありません。

自分がユーザになった目線で問い合わせに至るまでの理想的プロセスを仮定します。

例えば工務店さんだったら

「トップページ」→「施工事例一覧」→「施工事例詳細」→「標準装備一覧」→「資料請求」

みたいな。

これ以外にも「Blog一覧&詳細」があったり「会社概要」があったり「代表メッセージ」があったりするかもしれませんが、資料請求に至るまでに必要な最低限でありながら最重要なページを主要ページと定義します。

そして主要ページを設定し、コンバージョン(問い合わせや資料請求等)ページに至るまでのプロセス(ページ移動)をアクセス解析で分析します。

 

仮にアクセス解析を確認して施工実績は見られてるけど標準装備は見られてない。。

資料請求ページに至っては全体の5%も見られてないなぁ。。

という結果になったとしたら、施工実績からいかにして標準装備を見せるのか?

もしくはトップページから標準装備に積極的に誘導して、標準装備からいかにして施工実績を見せるのか?等

導線配置やデザインの検討を実施します。

また、仮に施工実績詳細まではよく見られるけど、離脱が圧倒的に多いなぁ。。

という結果になるのであれば、施工実績のページ内容及び、横移動(施工実績詳細Aから施工実績詳細Bへの移動)が容易であるか否か等の検討が必要となります。

 

 

ここでは絶対数の基準はありません。相対的に周りに比べて離脱率が高いようであれば、要改善と判断してください。

 

 

ホームページ改善のセカンドステップ

大まかにランディングページと主要ページを確認したら、コンバージョンページ(問い合わせ、資料請求等)への導線を確認します。

・コンバージョンページのナビゲーションサマリー

・コンバージョンページの滞在時間

上記2点で検討します。

 

・コンバージョンページのナビゲーションサマリー

Web業界はカタカナやアルファベットが多いので、もしかしたら聞きなれないキーワードかもしれません。

まずはナビゲーションサマリーについてお話しします。

ナビゲーションサマリーって何?

そのページの前にどこのページを見て、どのページに移動(または離脱)したか?

がわかるGoogleAnalyticsの機能。

「行動フロー」でもざっくりと全体の流れはわかりますが、あれでは活用の仕方がないので、詳細にわかるナビゲーションサマリーをおすすめします。

ここでわかることは、「どのページを見た人が最もコンバージョンに興味を持つのか?」です。

運用上とても大事なことなので、是非実施していただきたいです。

 

ナビゲーションサマリーの確認の仕方

手順以下に図解します。

 

左サイドメニューの「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」をクリック

コンテンツエリアの「コンバージョンページ」をクリック

 

上部の「ナビゲーションサマリータブ」をクリック

 

ここで確認できます。

 

これらの確認するべきポイントは主要ページからコンバージョンページにちゃんと人が流れているかを確認してください。

そして、予想していないページからコンバージョンページに流れているようであれば、原因を調査し、伸ばすか他のページに活かすかすることで、効率的な導線が確立します。

 

・コンバージョンページの滞在時間

滞在時間は関係ないと冒頭お伝えしましたが、コンバージョンページに関してだけは例外です。

コンバージョンページの滞在時間を確認すると、そのコンバージョンページの入力に問題があるか否かがわかります。

長い・・・入力意思がある(主要ページ等の作りはOK)のに入力方法等に問題がある。(要するに途中であきらめてる)

短い・・・入力意思すらない

「長い」ケースはフォームの作り替えだけでコンバージョン率が大きく改善する可能性が高いので、是非検討してみてください。

 

フォームの作りについての注意点は以下記事の下部に記載しています。

重ねて確認ください。

ホームページのユーザビリティを向上させる25のポイント

最後に

上記を確認いただいて、5%ずつ改善できた場合のコンバージョン率を算出し、必要なアクセス数を算出すれば現実的な適正な目標数値が設定できるはずです。

仮の数値ですし、計算は少々面倒ですが、慣れれば大したことはありません。

 

上司の無茶ぶりに対して、ちょっとでも手助けになれば幸いです。

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株式会社SIB LAB.は大阪のホームページ制作会社です。

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小田浩史