ECサイトのカゴ落ち率が高いのはなぜ?原因別チェックリストと改善の考え方

ECサイトのカゴ落ち率が高いのはなぜ?原因別チェックリストと改善の考え方

「カートに商品を入れてもらえているのに、購入まで至らない」
ECサイトを運営していると、一度は感じる悩みではないでしょうか。

これは「カゴ落ち(カート放棄)」と呼ばれる現象で、業界平均でも6〜7割前後が購入完了に至らないと言われるほど、実はどのECサイトにも一定数発生しているものです。
ゼロにすることは難しくても、原因を特定して一つずつ潰していくことで、確実に購入完了率を改善できます。

この記事では、カゴ落ちが起きる代表的な原因をチェックリスト形式で整理し、自社サイトの原因を調べる方法、改善の優先順位のつけ方まで解説します。

カゴ落ちが起きる主な原因、7つのチェックポイント

まずは、カゴ落ちの原因としてよく挙げられる7つのポイントを確認してみましょう。
自社サイトに当てはまるものがないか、チェックしながら読んでみてください。

① 送料・手数料が購入直前まで分からない

商品ページやカート画面では価格しか表示されず、決済直前の画面で初めて送料や手数料が加算される。
これはカゴ落ちの代表的な原因の一つです。
想定より高くなったことへの不満から、そのまま離脱してしまうケースが多く見られます。
送料の目安は、できるだけ早い段階(商品ページやカート画面)で提示しておくことが重要です。

Success

GA4のファネルで、決済方法選択画面など「送料・手数料が確定するステップ」の直前で離脱が集中している場合、これが原因の可能性が高いです。
ヒートマップでは、送料表示付近をクリックしたり、カート画面と商品ページを行き来したりする動き(送料を確認し直している行動)が見られることがあります。

② 決済手段が少ない・希望の方法がない

クレジットカードのみ対応で、コンビニ決済や後払い、キャリア決済といった選択肢がない場合、希望の決済方法がないユーザーはそこで離脱してしまいます。
特に、クレジットカードを持たない層や、オンラインでのカード利用に抵抗がある層を取りこぼしている可能性があります。

Success

GA4で「決済方法選択」のステップにユーザーが到達しているのに、その先の「購入完了」への遷移率が極端に低い場合、決済手段が原因の可能性があります。
ヒートマップでは、決済方法の一覧を何度もスクロールしたり、選択肢を探すようにクリックを繰り返したりした後、そのまま離脱する動きが見られます。

③ 会員登録必須など、購入までのステップが多い

「まず会員登録」「メールアドレスの認証」など、購入前に踏むステップが多いほど、途中で離脱するユーザーは増えます。
特に、初めて訪れたユーザーにとって、購入前の会員登録は大きなハードルです。
ゲスト購入(会員登録なしでの購入)を用意しておくだけでも、離脱を大きく減らせることがあります。

Success

GA4のユーザー属性を「新規」「リピーター」で分けて見たとき、会員登録・ログイン画面での離脱率が新規ユーザーだけ突出して高い場合、この項目が該当します。
ヒートマップでは、登録フォームでの滞在時間が長く、途中でページを閉じる、または前のページに戻る動きが目立ちます。

④ 入力フォームの項目が多い・エラーが分かりにくい

配送先情報や決済情報の入力フォームで、必須・任意の区別が分かりにくかったり、入力エラーが起きた際にどこを直せばいいのか分からなかったりすると、途中で入力を諦めてしまいます。
特にスマートフォンでの入力では、この負担がより大きくなる傾向があります。

Success

GA4で入力フォームのあるページの平均エンゲージメント時間が長いにもかかわらず、次のステップへの遷移率が低い場合、入力に手こずっている可能性があります。
ヒートマップでは、特定の入力欄を何度もクリック・タップし直す動きや、送信ボタン付近でカーソルが行き来する(迷っている)様子が確認できます。

⑤ サイトの信頼性が伝わらない

「本当にこのサイトで買って大丈夫か」という不安も、カゴ落ちの見えにくい原因の一つです。
レビューや購入実績の表示がない、運営者情報が分かりにくい、常時SSL化(https)がされていない、といった要素は、特に初めて利用するユーザーの不安を大きくします。

Success

GA4で、商品ページからカートへの遷移率は良好なのに、カートから購入手続きへの遷移率だけが新規ユーザーに限って低い場合、信頼性への不安が原因の一つとして考えられます。
ヒートマップでは、レビューエリアや運営者情報、セキュリティ表示の周辺で立ち止まる・探すような動きが見られることがあります。

⑥ 配送日数・在庫状況が不明瞭

「いつ届くのか」「在庫があるのか」が購入前に分からないと、ユーザーは不安を感じて購入を先送りにしてしまいます。
配送目安や在庫状況は、商品ページの分かりやすい位置に明記しておくことが望ましいです。

Success

GA4で商品ページ自体の離脱率(カートに進む前の離脱)が高い場合、配送・在庫情報が伝わっていない可能性があります。
ヒートマップでは、商品ページ内を上下にスクロールして何かを探すような動きの後、そのまま離脱するパターンが見られることがあります。

⑦ お気に入り登録的に使われている

唯一ポジティブな要因です。購入を検討している際に「気になる商品だから一旦カートイン」というユーザーの行動です。
特に「お気に入り機能」が実装されていないECサイトで見られる傾向ですが、お気に入り機能があっても一旦カートインをするユーザーは一定数います。
この場合は、無理に「カゴ落ち」として対策するのではなく、むしろ再訪を促すリマインドメールなどでフォローする方が有効です。

Success

GA4で、カート投入後すぐに離脱したユーザーが、後日改めて同じ商品を見に来ている(再訪率・リピートセッションが一定数ある)場合や、再訪後の購入率がそれなりに高い場合は、この「保留」的な使われ方をしている可能性が高いです。
この傾向が強い場合、フォーム改善よりもリマインドメールやカート内商品の保存機能の方が効果的です。

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自社サイトのカゴ落ち原因を調べる方法

上記のように、各原因にはそれぞれ特徴的なデータの傾向があります。
ここでは、それらを実際に確認するための基本的な見方を整理します。

GA4でカート→購入完了のファネルを見る

GA4では、「カート投入」「購入手続き開始」「購入完了」といった一連の流れを、どの段階で離脱が多いかファネル形式で確認できます。
どのステップで離脱が集中しているかが分かれば、7つのチェックポイントのうち、どこを優先的に見直すべきかの見当がつきます。

ヒートマップで離脱ポイントを可視化する

GA4だけでは「離脱した」という事実は分かっても、「なぜ離脱したのか」までは分かりません。
ヒートマップツールを使うと、フォーム入力中の迷いや、途中で入力をやめてしまう様子を視覚的に確認できます。

ツールの選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

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原因が分かった後の改善優先順位のつけ方

チェックリストとデータ分析で原因の見当がついたら、次はどこから手をつけるかです。
すべてを一度に改善しようとすると、かえって時間がかかり、効果測定も難しくなります。

基本的な考え方は、「離脱している人数が多いステップ」から着手することです。
たとえば、購入手続き開始前の離脱が最も多いのであれば、送料表示や決済手段の見直しを優先し、フォーム入力中の離脱が多いのであれば、入力項目の削減やエラー表示の改善を優先する、といった形です。
データに基づいて優先順位をつけることで、限られたリソースでも効果的に改善を進められます。

まとめ

カゴ落ちの原因は、送料・決済手段・購入ステップ数・入力フォーム・サイトの信頼性・配送情報・お気に入り的な使われ方の7つの観点でチェックすることで、多くの場合見当がつきます。
ただし、どの原因が実際に一番影響しているかは、GA4やヒートマップなどのデータを見なければ正確には分かりません。

「チェックリストを見ても、自社のどこに当てはまるのか判断がつかない」「データの見方が分からない」という場合は、お気軽にご相談ください。
GA4とヒートマップのデータをもとに、カゴ落ちの原因を特定し、改善の優先順位までご提案します。

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20年以上IT業界でホームページ制作、ECサイト制作、アクセス解析、Webマーケティングに従事。 特にアクセス解析、ユーザビリティテストについてはプロのWeb制作会社向けに講演した経験は多数。上級ウェブ解析士。 会社にも猫を連れ込むほど猫好き。 休日は猫と遊ぶか、ゲームするか、ぼーっとアクセス解析データを眺めて過ごしています。
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