ECサイト制作を制作会社に依頼する際、準備不足のまま進めると予算オーバーや納期遅延、完成後のトラブルにつながります。
この記事では、制作会社への依頼をスムーズに進めるために事前に決めておくべき7つのポイントを解説します。
費用相場やプラットフォームの選び方、スケジュール設定まで、依頼前に押さえておくべき知識を網羅しているため、初めてECサイト制作を検討している方でも迷わず準備を進められます。
ECサイト制作の依頼をする前に知っておくべき基礎知識
ECサイトの制作を制作会社に依頼しようと決めたとき、多くの方が「どこに頼めばいいか」「何から始めればいいか」という疑問を抱えます。
しかし、依頼先を選ぶ前に、ECサイト制作に関する基本的な知識を持っておくことが、失敗しないための最初のステップです。
この章では、制作依頼の全体像を把握するために必要な基礎知識を解説します。
ECサイト制作の依頼先の種類
ECサイトの制作を依頼する場合、依頼先は大きく「Web制作会社(ECサイト専門の制作会社)」「フリーランス」「クラウドソーシング」の3種類に分けられます。
それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、自社の予算・規模・スケジュール感に合わせて選ぶことが重要です。
| 項目 | Web制作会社 | フリーランス | クラウドソーシング |
|---|---|---|---|
| コスト | 高め(複数スタッフの人件費) | 比較的安い | 最も抑えやすい |
| 対応範囲 | 要件定義〜保守・運用までワンストップ | 個人による(事前確認が必要) | 個人による(実績確認が必要) |
| 品質の安定性 | 高い(チーム体制) | 個人のスキルに依存 | ばらつきあり |
| 注意点 | 専門領域との相性確認が重要 | デザイン・開発・SEOなど全工程を一人でカバーできるか要確認 | 品質のばらつき・コミュニケーション不足に注意 |
| 主なサービス例 | Shopify・EC-CUBE特化、業種特化型など | — | クラウドワークス・ランサーズなど |
Web制作会社・ECサイト専門の制作会社
Web制作会社やECサイト専門の制作会社は、ディレクター・デザイナー・エンジニアなど複数の専門スタッフが連携してプロジェクトを進める体制を持っています。
ワンストップで要件定義からデザイン・開発・公開後の保守・運用サポートまでを依頼できる点が最大の強みです。
一方で、複数スタッフの人件費が含まれるため、費用はフリーランスへの依頼と比べて高くなる傾向があります。
大規模なECサイトや、セキュリティ・決済システムの信頼性が特に重要な案件では、実績豊富な制作会社への依頼が適しています。
なお、制作会社の中にも、ShopifyやEC-CUBEなど特定プラットフォームに特化した会社、アパレル・食品・BtoB向けといった業種特化型の会社など、専門領域はさまざまです。
自社の業種・販売する商品ジャンル・想定する機能要件と、制作会社の得意領域が一致しているかを確認することが、パートナー選びの重要な視点となります。
フリーランス
フリーランスに制作を依頼するメリットは、コストの安さとスピードの速さです。
法人に頼む場合には、営業・デザイナー・エンジニアなど複数スタッフの人件費がかかるため、個人に依頼するよりもコストが高くなる傾向があります。
フリーランスに直接依頼することで、相談から制作までのスピードが速くなるという利点もあります。
一方で注意すべき点もあります。制作会社に依頼する場合には、Webディレクターや営業・デザイナー・エンジニアなどECサイトを作るうえで必要な人材をカバーしていますが、フリーランスの場合には個人でどこまで手掛けられるかを確認しておかないと、外注費用が発生してしまうケースがあります。
特にデザイン・コーディング・システム開発・SEO対策といった工程をすべて一人でカバーできるかどうかを、事前に確認することが欠かせません。
POINT
ヒアリングや成果物から個人の能力を把握できる場合は最もコストパフォーマンスは良いと考えられます。ただ、現実問題、「連絡が取れない」「スキル不足により要望が通らない」といった最もトラブルが多いのもフリーランスの特徴です。
クラウドソーシング
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサービスでは、無料で登録すればECサイト制作依頼の募集をすることができ、複数のフリーランスから応募を受けることが可能です。
登録されているフリーランスの納品実績・発注者の評価・コメント・制作実績のポートフォリオを必ずチェックしましょう。
予算を抑えてスピーディに依頼したい場合に有効な選択肢ですが、品質のばらつきや、途中でのコミュニケーション不足には注意が必要です。
POINT
クラウドワークスの特性上、見積もり勝負になるケースが多く、多くがテンプレートでの対応になります。今後の展望を加味した要件定義を提示することが重要になります。
制作会社選びで失敗しないための心構え
依頼先を決める前に持っておくべき重要な心構えがあります。
ECサイト制作の依頼は、単に「サイトを作ってもらう」作業ではなく、ビジネスの売上に直結する重要な投資です。
そのため、費用の安さだけを判断基準にすることは大きなリスクを伴います。
価格だけで選ばない
安易に格安の制作会社を選んでしまうと、「全く売れないECサイトになってしまった」「要件定義が甘く致命的な問題が発生した」などの失敗が起きることがあります。
価格が分かりづらいWeb業界ですが、ほぼ間違いなく「安かろう悪かろう」ではあります。なぜなら「安い」=「時間(工数)をかけない」だからです。
ただ難しいのは「高かろう良かろう」でもないので、もし相見積もりに困ったら以下に相見積もりの際の注意点をまとめているので重ねて確認ください。

制作会社の「得意領域」を見極める
制作会社にはそれぞれ得意な業種・プラットフォーム・規模感があります。
過去の制作実績・提案内容・担当者の専門知識を通じて、自社のプロジェクトと制作会社の強みが合致しているかを見極めることが、依頼後の満足度を高める最大のポイントです。
たとえば、弊社ならスタートアップやまだうまく売上が上がっていない小規模・中規模のECサイト制作やリニューアルを得意としてます。なぜなら0から一定の数字を作るまでのECサイトの運用経験の方が圧倒的に多いからです。
逆にECサイトの売上が一定以上になれば、そういう大規模ECサイト運用に適した会社がありますので、ご紹介してバトンタッチすることも少なくありません。
公開後の支援体制まで視野に入れる
ECサイトは公開してからが本番です。
サイトを稼働させ続けるためには、システムのアップデート・セキュリティ対応・デザインの改善・機能追加など、継続的なメンテナンスが必要になります。
制作完了後の保守・運用サポート体制が整っているかどうかを、契約前の段階から確認しておくことが、長期的な運営を見据えたときに非常に重要です。
初期制作のみで契約が終わる会社と、月額保守契約を結んでアフターフォローまで対応する会社とでは、公開後の安心感が大きく異なります。
決めるべきこと1 ECサイトで販売する商品とビジネスモデルの確定

ECサイトの制作を依頼する前に、まず最初に固めなければならないのが「何を誰に売るのか」というビジネスの根幹です。
販売する商品の種類・数量・特性、そしてビジネスモデルが曖昧なまま制作会社へ依頼してしまうと、後から仕様変更が相次いで費用が膨らんだり、完成後に必要な機能が揃っていないことに気づいたりするトラブルが起こります。
制作を依頼する前の段階で、販売戦略の骨格を自社内で整理しておくことが、スムーズなプロジェクト進行の大前提となります。
BtoCとBtoBで変わるECサイトの設計方針
ECサイトの設計方針を左右する最大の分岐点が、販売先が一般消費者(BtoC)なのか、企業・法人(BtoB)なのかという点です。
この違いを事前に明確にしておかないと、必要な機能・システム・プラットフォームの選定を根本から誤ることになります。
BtoCのECサイトは、Amazonや楽天市場のように不特定多数の個人に商品を販売することを前提としています。
購入の意思決定は個人が単独で行うケースがほとんどであるため、直感的でわかりやすいUI・UX、クレジットカードや電子マネーなど多様な決済手段への対応、視覚に訴えるデザイン性が重要視されます。
商品のコンセプトや世界観を打ち出したブランディング施策も、BtoCにおいては売上を左右する重要な要素です。
一方、BtoBの卸販売には「1回の受発注の数量・金額が大きい」「商品の流通形態が複雑」「取引先によって取扱商品や価格、支払いサイトが異なる」など、BtoCにはない様々な特徴があります。
そのため、BtoB向けのECサイトは、購入単価の大きさや取引条件の複雑さなどから、BtoCサイトとは異なる運用ノウハウや設計思想が求められます。
BtoBのECサイトでは、法人取引では顧客ごとに異なる単価・掛け率・割引条件が適用されるのが一般的です。
また、取引先は決済前に社内稟議を通さなければならないため、見積もりを自動で表示できる機能を設けるといった対応も検討材料のひとつとなります。
さらに、個人の買い物と違い、BtoBの商取引では納品書や領収書、請求書といった帳簿類の発行と適切な管理が必須となります。
各帳簿のインボイス制度への対応も必要です。
また、BtoBのECサイトには大きく2つの型があります。
特定の登録企業のみがログインして利用できる「クローズド型」は、顧客ごとに異なる商品カタログや価格(掛け率)、決済条件を柔軟に適用できる点が最大の特長です。
既存顧客との複雑な取引条件を維持したまま、電話やFAXに依存した受注業務をデジタル化し、大幅な業務効率化を実現します。
もう一方の「スモールBtoB型」は、法人向けながら比較的オープンな形で展開されるECサイトで、SEOやリスティング広告などを活用して見込み法人顧客に広くアプローチできるため、販路拡大を図るうえで有効な手段となります。
自社がBtoCとBtoBのどちらを対象とするか、あるいは両方を対象とするのかによって、必要なシステムの仕様・機能・プラットフォーム選びがまったく異なってきます。
制作会社への依頼前に、自社のビジネスモデルを明確に言語化しておくことが不可欠です。
BtoCとBtoBの主な設計上の違いをまとめると
| 比較項目 | BtoC | BtoB |
|---|---|---|
| 販売対象 | 一般消費者(個人) | 企業・法人 |
| 購入意思決定 | 個人が単独で行う | 社内稟議・承認フローが必要 |
| 価格設定 | 一律価格が基本 | 取引先ごとに掛け率・割引条件が異なる |
| 決済方法 | クレジットカード・電子マネーなど多様 | 掛け払い・請求書払い・与信管理が必要 |
| 帳票管理 | 領収書程度 | 納品書・請求書・インボイス対応が必須 |
| サイトの公開範囲 | 一般公開 | クローズド型またはオープン型 |
| デザイン重視度 | ブランディング・世界観が重要 | 機能性・業務効率が優先されることが多い |
商品数・在庫管理の規模感を先に固める
ビジネスモデルと同じくらい重要なのが、取り扱う商品数と在庫管理の規模感を制作依頼前に具体的に把握しておくことです。この数字によって、適切なプラットフォームの種類、必要なシステム連携の範囲、制作費用の目安が大きく変わります。
商品数が数十点程度の小規模なECサイトであれば、ShopifyやカラーミーショップなどのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)型のカートシステムで十分に対応できます。
初期費用を抑えながらスピーディーに立ち上げられるため、まずは小さく始めて検証していくアプローチとの相性が良いです。
一方、商品数が数千点・数万点規模になると、商品データの一括登録・更新機能や、在庫の自動引き当て・欠品アラートといった高度な在庫管理機能が欠かせなくなります。
また、倉庫管理システム(WMS)や基幹系のERPシステムとのAPI連携も視野に入れる必要が出てきます。
商品バリエーション(サイズ・カラー・素材など)が多い場合は、SKU管理の複雑さがさらに増すため、カスタマイズ性の高いパッケージ型やフルスクラッチ開発が現実的な選択肢となります。
在庫管理の方法についても、自社倉庫で管理するのか、外部の物流会社(3PL)に委託するのか、ドロップシッピング(仕入れなしで受注後にメーカーから直送)を活用するのかによって、ECサイトに求められるシステム連携の仕様が変わります。
特に複数の倉庫や複数の仕入れ先を持つ場合は、在庫の一元管理ができるシステム設計が必須となります。
以下に、商品数・規模感の目安と推奨される構築アプローチをまとめます。
| 商品数の目安 | 在庫管理の特徴 | 推奨される構築アプローチ |
|---|---|---|
| 数十点以下(小規模) | 手動管理でも対応可能 | ASP型カート(Shopify・カラーミーショップなど) |
| 数百〜数千点(中規模) | CSV一括管理・在庫アラートが必要 | 高機能ASP・パッケージ型EC(MakeShopなど) |
| 数千〜数万点以上(大規模) | WMS・ERP連携、自動在庫引き当てが必要 | パッケージ型・フルスクラッチ開発 |
また、季節商品や限定商品を扱う場合は、入荷・販売期間の設定機能や予約販売機能の有無も確認が必要です。
販売する商品の性質(食品・デジタルコンテンツ・受注生産品など)によっては、賞味期限管理・ダウンロード販売・納期の個別設定といった特殊な機能が必要になることもあります。
商品数や在庫管理の規模感を制作会社へ正確に伝えることで、見積もりの精度が上がり、「後から機能追加が必要になって追加費用が発生した」というよくある失敗を防ぐことができます。
依頼前の段階で、できる限り具体的な数字と運用イメージを整理しておきましょう。
決めるべきこと2 ECサイト制作にかける予算と費用感の把握

ECサイト制作を外部に依頼する際に、多くの担当者がはじめに頭を悩ませるのが「どのくらいの予算を用意すればよいのか」という点です。
ECサイトの制作費用は、採用するプラットフォームや制作会社、実装する機能の数・難易度によって大きく幅があり、数万円規模から数千万円規模まで存在します。
予算をあいまいなまま制作会社に相談してしまうと、オーバースペックな提案を受けたり、逆に要件を満たさない安価なサイトが納品されたりするリスクが生じます。依頼前に費用感の全体像をつかんでおくことが、発注の成功につながる第一歩です。
ECサイト制作を依頼する費用の相場一覧
ECサイト制作の費用相場は、構築方法によって大きく異なります。以下に代表的な構築方法別の初期費用の目安を整理します。
| 構築方法 | 初期費用の目安 | 主なサービス例 |
|---|---|---|
| ECモール出店 | 無料〜数万円 | 楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング |
| ASP型(自社EC) | 無料〜200万円未満 | Shopify、カラーミーショップ、MakeShop |
| オープンソース型 | 100万〜300万円程度 | EC-CUBE、WordPress(WooCommerce) |
| パッケージ型 | 100万〜500万円程度 | ecbeing、ebisumart |
| フルスクラッチ型 | 500万円〜数千万円 | 完全オリジナル開発 |
Web幹事が実際の発注データをもとに調査した結果によると、ECサイト構築の平均相場は163.2万円。この数字はあくまで平均値であり、業種や規模によって大きく変動します。
小規模なものなら150万円以下、中規模なものなら200〜500万円程度が一応の相場と言えます。
一方、フルスクラッチで自社のオリジナルECサイトをゼロから構築する場合の費用相場は500万円〜数千万円であり、場合によっては1,000万〜2,000万円にのぼることもあります。
また、見落とされがちなのが初期費用だけでなくランニングコストの存在です。サイト公開後に必ず発生する月額のサーバー代やシステム利用料、決済手数料、保守費用といった「ランニングコスト」を必ず確認し、3年から5年のスパンで、トータルでいくらかかるのかを試算することが重要です。
初期費用に含まれる主な項目
ECサイト制作の初期費用には、次のような項目が含まれるのが一般的です。
それぞれを把握した上で、見積もりに何が含まれており何が含まれていないかを確認することが重要です。
- デザイン費:トップページ・商品一覧・商品詳細・カートページなどのUI設計・デザイン制作費用
- システム開発・実装費:カートシステムの導入・カスタマイズ、決済機能・会員機能などの実装費用
- コンテンツ制作費:バナー・商品説明文・商品写真の撮影・加工費用(別途見積もりとなる場合が多い)
- テスト・品質確認費:動作確認・ブラウザ検証・スマートフォン対応確認などの費用
- ドメイン・サーバー初期設定費:独自ドメイン取得・サーバー契約・SSL証明書の設定費用
月額ランニングコストに含まれる主な項目
初期費用を抑えられたとしても、運営開始後には継続的に費用が発生します。月額コストを見落としたまま予算計画を立てると、運営開始後に資金繰りが苦しくなるケースがあるため注意が必要です。主なランニングコストの項目は以下の通りです。
- サーバー・ドメイン費用:月額数百円〜数万円(規模・スペックによる)
- システム利用料・ライセンス費:ASP型やパッケージ型を利用する場合の月額利用料
- 決済手数料:クレジットカード決済などの売上に対して発生する手数料(一般的に売上の2〜4%程度)
- 保守・メンテナンス費:不具合対応・セキュリティアップデートなどの月額保守費用
- 広告・集客費用:SEO対策、リスティング広告、SNS広告などの費用(別枠で予算計上が必要)
格安制作と高品質制作の費用対効果の違い
ECサイト制作において「できるだけ安く作りたい」という気持ちは自然ですが、費用の安さだけを判断基準にして制作会社を選ぶことは、長期的に見て損になるケースが少なくありません。
格安制作と高品質制作には、それぞれ明確な特徴と費用対効果の違いがあります。
格安制作(〜50万円未満)の特徴とリスク
テンプレートをベースにした最小限の実装で仕上げる格安制作は、初期費用を大幅に抑えられる反面、いくつかのリスクを伴います。
- デザインの自由度が低く、競合他社との差別化が難しい
- 機能のカスタマイズがほぼできず、業務フローに合わせた設計が困難
- サポートが薄く、トラブル発生時の対応が遅れる可能性がある
- SEOへの最適化が不十分で、開設後の集客に苦労するケースがある
- スケーラビリティが低く、売上が拡大した際に作り直しが必要になる場合がある
制作内容の相場を把握しないまま表面的な見積もりの金額だけで比較してしまい、最終的に思いもよらない金額にまで膨れ上がってしまった、という事例も少なくありません。
また、「このくらいのデザイン変更なら基本料金内でやってくれるだろう」といった思い込みは危険であり、カスタマイズの範囲とそれに伴う費用体系を具体的に確認しておくことが重要です。
高品質制作(150万円以上)の費用対効果
150万円以上をかけた高品質なECサイト制作では、単なるサイトの見栄えだけでなく、売上につながる設計が重視されます。
- ユーザー導線・購買体験を意識したUI/UXの設計が可能
- 在庫管理システム・基幹業務システム(ERP)との連携による業務効率化
- SEOや広告運用に強いサイト構造・コンテンツ設計の実現
- スマートフォン対応・表示速度改善によるコンバージョン率の向上
- 公開後の保守・アフターサポートが充実している制作会社が多い
自社システムとの連携や業務効率化のための機能など、事業として本格的にECを運営していく方には、ECサイト公開後の運営サポートも充実している制作会社が多いため、予算をかけた高品質制作が向いています。
重要なのは「いくら安く作れるか」ではなく、「投資した制作費に対してどれだけの売上・利益を生み出せるか」という費用対効果の視点で予算を判断することです。開設から3年間のトータルコストと、想定売上・粗利を照らし合わせて、適切な投資額を決定しましょう。
補助金・助成金を活用してコストを抑える方法
ECサイトの制作費用は決して小さくありませんが、国や自治体が提供する補助金・助成金制度を活用することで、実質的な自己負担を大幅に削減できる可能性があります。
補助金は申請期間や要件が限定されているため、制作の計画段階から並行して情報収集を始めることが重要です。
デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)
デジタル化・AI導入補助金(2026年:名称がIT導入補助金から変更になりました。)とは、業務の効率化を目的としたITツールの導入時に利用できる補助金制度です。
使える補助金や助成金はいくつかあるので、それを2026年版にまとめた記事もあります。気になる方は重ねてご確認ください。(大阪版なので他府県の方はご相談ください)

決めるべきこと3 ショッピングカートシステムの選定

ECサイト制作を依頼する際、プラットフォーム(カートシステム)の選定は、制作費用・運用コスト・将来の拡張性のすべてに直結する最重要判断のひとつです。
制作会社に丸投げしてしまうと、制作会社が得意とするシステムを推奨されるケースもあるため、依頼前に自社の事業規模・目標・予算に合ったプラットフォームをある程度絞り込んでおくことが理想です。
ここでも記載しますが、詳しくは以下記事も参照ください。

ECプラットフォームは主に「ASP型」「オープンソース型」「パッケージ型」の3つに分類されます。Shopify・MakeShop・カラーミーショップ・BASE・STORESなどはASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)型と呼ばれ、運営サービス側からサーバーを借りて手軽にお店を運営できます。EC-CUBEやMagentoはオープンソース型、Ecbeing・EC-ORANGEなどはパッケージ型のEC構築システムです。
それぞれの分類ごとに、初期費用・カスタマイズ性・運用難易度が大きく異なるため、自社の状況に照らして慎重に選ぶ必要があります。
ある程度、詳しく下記に記載しますが、残念ながら読んだところで「結局どれがええねん」ってなってしまうと思います。
選定基準になるのは「規模感」と「仕様」です。
価格は「これするならいくらくらい月額かかるけど最初から入れる?」っていう基準で重要にはなりますが、まずは「できるか?」「できないか?」で選ばないといけません。
弊社ではショッピングカート選びからフラットにご提案させていただきますので、ご相談はお気軽に。
Shopifyが向いている企業の特徴
Shopifyは、世界中で利用されるグローバルなECプラットフォームで、個人の小規模ショップから大規模なECサイトまで幅広く対応可能です。
初期費用は無料で、月額費用はプランによって異なり、ベーシックプランから大規模事業者向けのShopify Plusまで用意されており、柔軟なスケーリングが可能です。
Shopifyの最大の強みは拡張性の高さとグローバル対応で、豊富なアプリやテーマを活用し独自のEC機能を自由に構築でき、越境ECに必要な多言語・多通貨対応が標準で備わっており、海外顧客をターゲットにした販売にも適しています。
具体的には、以下のような企業・事業者にShopifyは特に向いています。
- 将来的に年商5,000万円以上を狙う成長志向のEC事業者
- 越境EC・海外販売を視野に入れている企業
- 複数の販売チャネル(SNS・実店舗・モールなど)を統合管理したい企業
- アプリを活用して機能を柔軟に拡張していきたい企業
Shopifyは多言語・多通貨対応のため海外販売を見据えたECサイト運営が可能で、8,000種類以上リリースされている機能拡張アプリもあり、カスタマイズ性が非常に高く、年商5,000万円〜10億円までの売上規模を狙っていくEC事業者におすすめです。
ShopifyはSNS連携や広告配信に関する機能拡張が柔軟にでき、特にニーズの高いInstagramショッピング機能が無料提供されていることも大きなメリットです。一方で、直感的な管理画面で基本的な操作は比較的わかりやすいですが、デザインや高度なカスタマイズを行うには多少の学習や専門知識が必要です。初心者でも始められますが、長期的にスキルアップしてサイトを成長させたい人に向いています。
なお、決済手数料はプランにより異なり、ベーシックプランでは3.4%からです。Shopifyペイメントを利用せず外部決済を導入する場合には、追加で取引手数料(0.5〜2%)が発生します。制作会社に依頼する際は、こうしたランニングコストも含めた総費用で比較することが重要です。
MakeShop・カラーミーショップが向いている企業の特徴
国内市場をメインターゲットにした中小規模のEC事業者にとって、MakeShop(メイクショップ)とカラーミーショップは有力な選択肢です。
どちらも国産のASP型サービスであり、日本の商習慣や決済・配送システムとの相性が良い点が大きな強みです。
このセクションでは代表的なMakeShopとカラーミーショップについて解説します。
MakeShopが向いている企業
MakeShopは651種類の機能が提供されており、規模に合わせて必要な機能を追加しながらの運用が可能です。オムニチャネルやBtoB販売機能などもあるため、ECの展望に合わせて機能を実装していくことができます。
ただし、プランは2つだけの展開で初期費用がかかるため、立ち上げ時の費用がネックになる可能性があります。
MakeShopは、予算に縛られることなくありとあらゆる機能を使いこなしたい場合に適したECプラットフォームです。逆に、利用する機能が限られているならば割高と感じてしまうかもしれません。
機能の豊富さを最大限に活用できる中規模以上の企業や、BtoB取引も並行して行いたい企業に特に向いています。
カラーミーショップが向いている企業
カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が提供する国産のECサイト構築サービスです。小規模な個人ショップから中規模事業者まで幅広く利用されており、日本市場に特化した豊富な機能とサポートが魅力です。
HTMLやCSSを編集できるためオリジナル性の高いデザインに仕上げられ、国内の決済や配送サービスも整備されています。
カラーミーショップには初期費用・月額料金ともに無料のプランがあり、低コストでEC事業をスタートできます。
問い合わせ対応はメールだけでなく電話窓口の設置もあり、セミナーや勉強会の開催や資料・YouTube動画でのノウハウ提供など、さまざまなサポートを提供しています。
カラーミーショップは手厚いサポートに定評があり、国内販売を中心に費用を抑えつつ年商数百万〜数千万円規模を狙う事業者におすすめです。
ただし、売上が年商5,000万円を超えてくると、機能やカスタマイズ性の面で不足が出る可能性があります。
そうなると、他のECプラットフォームへの移行を考えることになるでしょう。将来の事業規模を見越したうえで、最初から適切なプラットフォームを選ぶことが重要です。
ショッピングカートシステムの移行に関しては以下にまとめた記事があります。
移行を検討中の方は以下も重ねてご確認ください。

以下に、MakeShopとカラーミーショップそれぞれに向いている企業・事業者の特徴をまとめます。
| 比較項目 | MakeShop | カラーミーショップ |
|---|---|---|
| 初期費用 | あり(プランにより異なる) | 無料プランあり(3,300円〜) |
| 月額費用 | 有料プランのみ | 無料〜(レギュラーは4,950円〜) |
| 機能数 | 651種類と豊富 | 基本機能は充実、シンプル設計 |
| BtoB対応 | ○ | △ |
| サポート体制 | 充実 | 電話・メール対応あり |
| おすすめ規模 | 中規模以上 | 小規模〜中規模 |
フルスクラッチ開発を選ぶべきケース
ASP型のプラットフォームやパッケージ型では実現できない独自仕様が必要な場合、ゼロからシステムを設計・構築する「フルスクラッチ開発」が選択肢となります。フルスクラッチ開発は自由度が極めて高い一方で、開発費用・期間・運用コストのすべてが大幅に増大するため、慎重な判断が必要です。
フルスクラッチ開発が適しているケース
- 既存のASPカートでは実現できない独自の会員管理・ポイント制度・複雑な価格体系が必要な場合
- 社内の基幹システム(ERPや在庫管理システム)との深いシステム連携が不可欠な場合
- 大量のSKU(商品種別)・高アクセスに耐える独自インフラが必要な大規模EC事業者
- 競合他社との差別化を目的とした、完全オリジナルのUX・UI設計が求められる場合
- 月間売上規模が数億円を超え、プラットフォームの決済手数料や機能制限がビジネス上のボトルネックになっている場合
フルスクラッチ開発の注意点
フルスクラッチ開発では、開発費用が数百万円〜数千万円規模になることも珍しくなく、開発期間も数ヶ月から1年以上かかるケースがあります。また、公開後の保守・セキュリティ対応・機能追加もすべて自社または開発会社に依頼し続ける必要があるため、長期的なランニングコストと社内の技術リソースを必ず見積もったうえで判断することが重要です。
なお、フルスクラッチに近い柔軟性を持ちながらも導入コストを抑えられる選択肢として、オープンソース型のEC-CUBEやパッケージ型のEcbeing・EC-ORANGEといったシステムも存在します。
これらはフルスクラッチほどの費用をかけずに高い自由度を確保できるため、フルスクラッチと迷っている場合は比較検討の対象に加えることをおすすめします。
プラットフォーム選定のまとめポイント
プラットフォームの選定は「現在の事業規模」だけでなく、「3〜5年後の事業目標」を見据えて判断することが失敗を防ぐ最大のポイントです。
たとえば、スタート時点でカラーミーショップを選んだとしても、事業成長に伴ってShopifyや独自開発へ移行するケースは珍しくありません。
プラットフォームの移行では、移行作業そのものにコストがかかり時間や人的リソースが割かれるほか、多くの場合は移行作業中や移行後のテスト中はECサイトを一時的に閉める必要があります。最初から将来を見越したプラットフォームを選ぶことが、長期的なコスト削減にもつながります。制作会社への依頼前に、自社の事業計画と照らし合わせながらプラットフォームの方向性を固めておきましょう。
決めるべきこと4 ECサイトに必要な機能と優先度のリストアップ

ECサイトの制作を依頼する前に、「どんな機能が必要か」を自社内で整理しておくことは、制作会社との認識のズレをなくし、見積もりの精度を高めるうえで非常に重要なステップです。
機能要件が曖昧なまま依頼すると、後から追加費用が発生したり、納期が延びたりするリスクが高まります。
必要な機能を洗い出し、「必須機能」「推奨機能」「あれば嬉しい機能」の3段階に分けて優先度を整理することが、スムーズな制作進行の第一歩です。
決済方法・配送設定・会員機能の要否を整理する
ECサイトに必要な機能は、大きく「購入に関わる機能」と「運営・管理に関わる機能」の2つに分類できます。まずは購入フローに直結する機能から優先的に検討しましょう。
決済方法の選定
決済機能は、支払いを受けるために必要な機能であり、多くのECサイトではユーザーの利便性を考慮してさまざまな支払い方法の中からユーザーが選択できるよう複数の決済手段に対応しています。最もよく使われており必須で整えておきたいのがクレジットカード決済です。
よく利用する決済手段は男女ともに「クレジットカード決済」が1位、「PayPay」が2位となっており、またよく利用する決済手段がない場合、男女ともに55%以上が購入せず離脱すると回答しています。
この数字が示すとおり、決済手段の充実はそのまま機会損失の防止につながります。
クレジットカードを基軸に、PayPayなどのQRコード決済、コンビニ決済、後払い(BNPL)など、ターゲット顧客層に合わせた手段を組み合わせることが重要です。
キャリア決済は、携帯電話を契約していればクレジットカードを持っていなくても決済できることから、特にクレジットカードが持てない10〜20代の若年層の利用率が高いのが特徴です。
一方で、BtoBなど企業間取引には、請求書での請求を行う掛売りの後払い方法が主流になっているため、企業向けの商材を取り扱う場合は後払いに対応した決済方法を用意する必要があります。
このように、決済方法の選定は自社のターゲット層やビジネスモデルによって大きく異なります。
制作依頼前に「誰が・どこで・どのように購入するか」を明確にしてから、必要な決済手段をリストアップしてください。
また、導入するECシステムに標準対応している決済会社を使うべきであり、ECサイトに標準対応していない決済会社を使うには開発コストが新たに発生するため、ECサイト構築・導入の際には決済方法まで考慮しなくてはなりません。
プラットフォームの選定と決済方法の選定は、セットで検討するようにしましょう。
配送設定・送料ルールの整理
配送に関する機能要件も、制作前に具体化しておくべき重要な項目のひとつです。
全国一律送料なのか、地域・重量・購入金額によって送料が変動するのか、複数の配送業者を使い分けるのかによって、システムに求める複雑さが大きく変わります。
また、日時指定・追跡番号の自動通知・ギフトラッピング対応なども、後付けで実装しようとすると追加コストが発生しやすい機能です。
これらは受注管理システム(OMS)や倉庫管理システム(WMS)との連携が必要になることもあるため、将来的な物流の拡張性も含めて要件を整理しておきましょう。
会員機能の要否と設計
会員機能を設けるかどうかも、制作前に方針を決めておく必要があります。会員制のECサイトに必要な主な機能としては、会員登録機能・ログイン認証・会員グループや会員ランクによる商品表示設定や価格設定・会員グループによる決済方法の変更・ゲスト購入機能・レビューや評価の投稿機能・セキュリティ機能などが挙げられます。
会員機能を導入することで、リピーター育成・マイページでの注文履歴確認・ポイントプログラムの運用など、顧客との継続的な関係構築が可能になります。
一方で、「ゲスト購入(会員登録なしでの購入)」を認めるかどうかも購入率に大きく影響するため、両方の選択肢を用意することを検討してください。
また、名前・住所・電話番号などの個人情報が不正アクセスなどによって漏洩した場合、ユーザーはもちろん自社も大きな被害を被り、大きく信頼を落としてしまいかねないため、個人情報を暗号化するSSL対応など、ECサイトにしっかりセキュリティ機能を実装しておくことが大切です。
機能の優先度を「MoSCoW法」で整理する
必要な機能が洗い出せたら、すべてを同列に扱うのではなく、優先度を整理することが大切です。
ここでは「MoSCoW法」と呼ばれるフレームワークが有効です。
機能を「Must have(必須)」「Should have(できれば欲しい)」「Could have(余裕があれば)」「Won’t have(今回は不要)」の4段階に分類することで、予算や納期の制約の中でも合理的な取捨選択ができます。
まず「Must have」の機能だけで最小限のECサイトを立ち上げ、運用しながら段階的に機能を追加していくアプローチは、初期投資を抑えながらリスクを最小化する現実的な方法です。
ECサイトの機能は、必須機能・推奨機能・追加機能の3段階に整理できます。
必須機能は商品管理・会員管理・カート機能・決済機能・注文管理・セキュリティ対策など、ECサイトの運営に不可欠な基本的な機能であり、推奨機能は在庫管理・発注管理・出荷管理・顧客管理・商品検索・ポイントプログラムなど効率的な運営や売上向上に寄与する機能、追加機能はスマートフォンアプリ対応・AIチャットボット・越境EC対応など利便性を高める拡張機能です。
必須機能を土台として推奨機能や追加機能を戦略的に組み合わせることで、競争力のあるECサイトを構築できます。
スマートフォン対応とレスポンシブデザインの重要性
現代のECサイト制作において、スマートフォン対応は「あれば良い機能」ではなく「絶対に外せない前提条件」です。
制作会社に依頼する際は、スマートフォン対応の方針について必ず最初の段階で確認しておきましょう。
レスポンシブデザインとは何か
レスポンシブ対応とは、スマートフォン・タブレット・パソコンなど、あらゆるデバイスの画面サイズに自動的に最適化して表示する機能です。
現在のECサイト利用者の大半がスマートフォンからアクセスしているため、レスポンシブ対応は実質的に必須の機能となっています。
レスポンシブデザインは、1つのHTMLとCSSで複数のデバイスに対応する手法です。かつてはPCサイトとスマートフォンサイトを別々のURLで用意する「別サイト型」が一般的でしたが、現在は管理効率・SEO評価の両面からレスポンシブデザインが主流となっています。
制作会社に依頼する際には、「レスポンシブデザイン対応であること」を仕様書や要件定義書に明記するようにしましょう。
スマートフォン対応がSEOと売上に与える影響
スマートフォンで見たときに文字が小さすぎて読めない、ボタンが押しにくい、画像がはみ出して見づらいといった問題があると、顧客はすぐに離脱してしまい大きな機会損失につながります。
また、Googleの検索エンジンはモバイルフレンドリーなサイトを高く評価する傾向があるため、SEO対策の観点からもレスポンシブ対応は重要です。
Googleは「モバイルファーストインデックス」という方針を採用しており、検索順位の評価においてモバイル版のサイトを基準としています。つまり、スマートフォン対応が不十分なECサイトは、検索結果での露出機会を失い、集客力そのものが低下するリスクがあります。スマートフォン対応の不備は、デザインの問題ではなく集客・売上に直結するビジネス課題として捉えることが重要です。
スマートフォン対応で確認すべき具体的なチェック項目
制作会社に要件を伝える際は、以下のような具体的な観点でスマートフォン対応の品質を確認してください。
- タップ操作のしやすさ:ボタンや商品画像のタップ領域が十分に確保されているか
- フォームの入力しやすさ:住所・クレジットカード番号などの入力フォームがモバイルで使いやすい設計になっているか
- ページの表示速度:画像の最適化やキャッシュ設定などにより、モバイル環境でも高速に読み込まれるか
- カート・決済画面の操作性:購入完了までのステップがスマートフォンで直感的に操作できるか
- 検索・絞り込み機能のUI:スマートフォン画面上でも商品を探しやすい設計になっているか
一つのサイトで全デバイスに対応させることで、デバイスごとに別々のサイトを作成・管理する必要がなくなり、運用コストの削減にもつながります。デバイスをまたいだ一貫した購入体験を提供することで、あらゆる顧客層を取りこぼさない販売体制を構築できます。
また、スマートフォン対応と合わせて、「ページ表示速度(サイトスピード)」も必ず要件として明記しておくことをおすすめします。Core Web Vitalsと呼ばれるGoogleの評価指標においても、表示速度は重要な要素のひとつです。制作会社に対して、Google PageSpeed InsightsでのモバイルスコアのKPI(例:スコア70以上)を要件として明示しておくと、後々の品質管理がしやすくなります。
決めるべきこと5 ECサイトデザインと世界観のイメージ共有

ECサイトの制作依頼において、機能要件や予算と同じくらい重要なのがサイトのデザインと世界観を制作会社と正確に共有することです。どれだけ優れた制作会社であっても、依頼する側のイメージが曖昧なまま進めてしまうと、完成したサイトが「思っていたものと違う」という結果になりかねません。
今や270万件を超えるともいわれるECサイトの中でユーザーの心を掴むためには、商品のラインアップはもちろん、ブランドコンセプト・商品の価値が伝わるデザインが重要です。つまり、デザインの方向性を依頼前にしっかりと固めておくことが、競合との差別化にも直結します。
ECサイトのデザインは、ただ機能的であるだけでなく、ブランドイメージを強く反映させることが重要です。色やフォント、ビジュアルを統一し、ブランドの世界観を体現するデザインにすることで、ユーザーに一貫したブランド体験を提供できます。制作依頼の前に、自社のブランドが持つ個性や強みをビジュアルでどう表現したいかを整理しておきましょう。
参考サイトを集めてデザインの方向性を固める
制作会社にデザインイメージを伝える際、言葉だけで説明しようとすると認識のズレが生じやすくなります。「おしゃれ」「シンプル」「高級感がある」といった言葉は人によって受け取り方が異なるため、具体的な参考サイトを複数用意することが最も効果的な伝達手段です。
参考サイトを探す際には、デザインギャラリーサイトを活用するのが効率的です。『SANKOU!』は国内のWebデザインのギャラリーサイトで、3,700以上のサイトが登録されており、ECサイト・オンラインショップのカテゴリで参考になるECデザインを探すことが可能です。「スタイリッシュ」や「ユニーク」、「イラストを使用」などサイトの特徴や業種、テイスト・あしらいなど目的別で検索できます。
また、「WebDesignClip」はおしゃれで洗練されたデザインを集めたギャラリーサイトで、ミニマルなレイアウトや上品な配色、タイポグラフィの工夫が特徴的なサイトが多く掲載されており、特にブランドや高級感を重視したECサイトの参考になります。
参考サイトを集める際は、単に「見た目が好き」というだけでなく、「このサイトのどの要素が気に入っているのか」を具体的にメモしておくことが大切です。配色が好みなのか、フォントの雰囲気が合っているのか、レイアウトの余白感が理想的なのか、といった観点で整理することで、制作会社との打ち合わせがよりスムーズに進みます。
さらに、自社のプロダクトがどのような層にニーズがあるのかを調査し、そのうえでターゲットの好みやニーズにあわせたデザインを制作することが重要です。競合他社と差別化するために、自社の強みや特徴をデザインに反映させましょう。競合ECサイトを参考サイトとして複数ピックアップしておくことも、差別化戦略を制作会社と共有するうえで非常に有効です。
ECサイトはブランドの世界観を伝える役割もあります。サイト全体で色使いやフォントの種類・サイズなど、ビジュアル要素に一貫性をもたせることで、ユーザーに安心感と信頼感を与えることができます。デザインの制作途中で方向性がぶれないためにも、デザインガイドラインを作成しておくと一貫性を維持しやすくなるのでおすすめです。
参考サイト収集時に整理しておきたい確認項目
- 好みの配色・メインカラー・アクセントカラー
- フォントの雰囲気(明朝体系かゴシック体系か、和文か欧文か)
- レイアウトの密度感(余白を活かしたシンプルな構成か、情報量が多い構成か)
- 画像の使い方(大きなビジュアル重視か、商品一覧を整然と並べる構成か)
- トンマナ(高級感・ナチュラル・ポップ・ミニマルなど)
- 気に入らないデザインの要素(NG事例として明示する)
「好きなサイト」だけでなく、「こういうデザインにはしたくない」というNG例も伝えることで、制作会社はより精度高くデザインの方向性を絞り込むことができます。
商品写真・コンテンツ素材の準備状況を確認する
ECサイトにおいて、デザインと同じかそれ以上に売上を左右するのが商品写真の質です。どれほどデザインに優れたサイトを構築しても、商品写真のクオリティが低ければ購買意欲を高めることはできません。制作依頼の前に、素材の準備状況を必ず確認しましょう。
ECサイトは商品画像と説明文を並べれば良いわけではありませんが、売上につなげるには売れるためのデザインを制作する必要があります。商品画像や動画を活用することで、テキストの量を抑えることが可能です。見やすく簡単に購入できるような情報設計を意識しましょう。
商品写真には大きく分けて「白背景の物撮り写真」と「世界観を伝えるイメージカット」の2種類があります。白背景の物撮り写真は商品のディテールを正確に伝えるために必須であり、イメージカットはブランドの空気感や使用シーンをユーザーに想起させるために有効です。理想的には両方を用意しておくことで、商品ページの説得力が格段に向上します。
商品写真に統一感を持たせ、サイトの世界観を損なわない工夫をすることが重要です。撮影の背景色・ライティング・アングルを統一することで、商品ページ全体に一貫性が生まれ、サイト全体のブランドイメージが引き締まります。複数の商品を扱う場合は、撮影スタイルのガイドラインをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
制作依頼前に準備しておくべき素材チェックリスト
- 商品の白背景写真(複数アングル)
- 商品のイメージカット・使用シーン写真
- ロゴデータ(ベクター形式のai・eps・SVGが望ましい)
- ブランドカラーのカラーコード(HEX・RGB・CMYKなど)
- 既存のパンフレット・カタログ・名刺などのデザイン資料
- 会社概要・商品説明のテキスト原稿
- バナーやキャンペーン用ビジュアルの有無
素材の準備が不十分なまま制作を開始すると、制作途中での素材差し替えや追加撮影が発生し、スケジュールの遅延や追加費用の原因になります。特に商品写真は、プロのカメラマンに依頼するか、あるいはスマートフォンで撮影する場合でも照明・背景・アングルに統一感を持たせることを意識してください。
また、テキストコンテンツについても事前に整理が必要です。商品説明文・会社概要・特定商取引法に基づく表記などのテキストは、制作会社が代わりに用意することはできません。依頼者側が事前に原稿を準備しておくことで、制作工程がスムーズに進みます。
ECサイトを成功させるためには、ブランドの世界観に共感してもらい、購入につなげることが大切です。そのためには、ECサイトの使いやすさやブランドの価値を伝えるためのコンテンツ作りが重要になっています。デザインの方向性と素材の質の両方を高いレベルで揃えたうえで制作依頼に臨むことが、満足度の高いECサイト完成への近道です。
決めるべきこと6 公開スケジュールと納期の設定

ECサイト制作において、「いつまでに公開したいか」という納期の設定は、プロジェクト全体の成否を大きく左右します。納期が曖昧なまま制作を進めると、商機を逃したり、テスト・修正の時間が確保できずに品質の低い状態でリリースしてしまうリスクが生じます。制作会社への依頼前に、公開目標日を決め、そこから逆算してスケジュールを組み立てることが重要です。
また、スケジュールの遅延の多くの理由が、サイトオープンに対する準備期間の不足であることが実態として報告されています。公開スケジュールを決めるということは、単に「いつ公開するか」を決めるだけでなく、「それに間に合わせるために何をいつまでに終わらせるか」という準備計画全体を策定することを意味します。
季節のイベントやキャンペーンに合わせた逆算スケジュール
ECサイトの売上は、季節のイベントやキャンペーン時期に大きく左右されます。年末年始・バレンタインデー・母の日・クリスマスといった商戦期は、ECサイトにとって最大の売上機会です。こうした時期に合わせてサイトを公開・整備するためには、販売したい時期から逆算して制作スタートのタイミングを決める「逆算スケジューリング」の考え方が欠かせません。
ECサイトの制作期間は、最短でも通常は3か月程度、多くのサイトの場合は5〜6か月、規模の大きいECサイトの場合は7か月以上かかることがあります。また、店舗や物流システムとの連携など、サービスの拡充を充実させるほど、連携するシステムが増え規模が大きくなる傾向があり、制作期間にも影響を及ぼします。
たとえば、クリスマス商戦(12月)に間に合わせたいのであれば、遅くとも6月〜7月頃には制作会社へのコンタクトを開始し、8月中に契約・要件定義を完了させる計画が必要です。母の日(5月)を狙うなら、前年の11月〜12月には動き出すのが現実的です。以下に、主な商戦期と制作開始の目安をまとめます。
| 商戦期・イベント | 公開目標月 | 制作会社への依頼開始目安 |
|---|---|---|
| 母の日 | 4月末〜5月初旬 | 前年11月〜12月 |
| 夏のボーナス商戦 | 6月中旬 | 1月〜2月 |
| お中元・夏ギフト | 6月〜7月 | 1月〜2月 |
| ハロウィン | 9月末〜10月 | 4月〜5月 |
| お歳暮・冬ギフト | 11月〜12月初旬 | 5月〜6月 |
| クリスマス・年末年始 | 11月末〜12月 | 6月〜7月 |
| バレンタインデー | 1月中旬 | 7月〜8月 |
「もう少し早く動き出せばよかった」という後悔は、ECサイト制作において非常によくある失敗パターンです。特に初めてECサイトを立ち上げる場合は、想定外の作業や確認工数が発生しやすいため、余裕を持ったスケジュールを組むことを強く推奨します。
また、特定の商戦期を狙う場合は、サイトの公開日だけでなく、商品の撮影・ページ入稿・決済テスト・SEO対策・広告準備など、公開前に必要な作業をすべて洗い出し、それぞれに締め切りを設けることが重要です。制作会社との間で「いつまでに何を用意するか」を明文化したスケジュール表を共有しておくと、認識のズレによるトラブルを防ぐことができます。
テスト・修正期間を含めた現実的なスケジュール感
ECサイトは、コーポレートサイトと異なり、決済機能・会員登録・カート・配送設定など、ユーザーの個人情報やお金に直結する機能を多数搭載しています。そのため、公開前のテスト工程は特に念入りに行う必要があり、テスト・修正期間を制作スケジュールに必ず組み込むことが不可欠です。
スケジュールが不透明なまま進めてしまうと、テストや改善の時間がなく、品質の低い状態でリリースしてしまうリスクや、急ぎすぎて不具合が多発し、カスタマーサポートが混乱するリスクが高まります。ECサイトにおけるテスト工程では、以下のような項目を最低限確認する必要があります。
- 商品ページの表示確認(PC・スマートフォン・タブレット各デバイス)
- カートへの追加・削除・数量変更の動作確認
- 各種決済方法(クレジットカード・コンビニ払い・銀行振込など)の通過テスト
- 注文確認メール・発送通知メールの送信確認
- 会員登録・ログイン・パスワード再設定の動作確認
- クーポン・ポイント・割引機能のテスト
- 在庫切れ・売り切れ表示の挙動確認
- SSL証明書の有効性・セキュリティ確認
確認を行う担当者やチームを事前に決め、必要なテストケースやシナリオをあらかじめリストアップしておくことが有効です。また、品質確保のために必要なテストや確認を省略することは避けるよう注意しましょう。
一般的に、テスト・修正期間は最低でも2〜4週間を見込んでおくことが現実的です。修正依頼を出してから制作会社が対応するまでにも数日かかる場合があり、複数回のフィードバックを経ることを前提にスケジュールを組みましょう。
スケジュール遅延のほとんどが「要件がまとまらない」「デザインの制作遅延」「導入準備不足」の3点にまとめられます。特に要件がまとまらないことと、準備期間中に商品の準備や運用準備が間に合わない導入準備不足の2つは、サイト制作に入る前にしっかりと決定しておくことが重要です。
また、進行中に上司や決裁者の確認を待つ場合、1週間以上かかる場合があります。その間、進まない作業も出るため、うまく進行できないケースも発生しスケジュール遅延の原因となります。可能な限り素早くチェックできる社内体制を整えておくと良いでしょう。
以下に、ECサイト制作における各フェーズの目安期間をまとめます。
| フェーズ | 主な作業内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 制作会社の選定・契約 | 問い合わせ・ヒアリング・見積比較・契約 | 3〜4週間 |
| 要件定義・サイト設計 | 機能整理・サイトマップ作成・ワイヤーフレーム | 2〜4週間 |
| デザイン制作 | TOPページ・下層ページのデザイン案作成・承認 | 3〜6週間 |
| コーディング・システム構築 | HTML/CSS実装・機能開発・決済連携 | 4〜8週間 |
| 商品登録・コンテンツ入稿 | 商品情報・画像・説明文の登録 | 2〜4週間(商品数による) |
| テスト・修正 | 動作確認・バグ修正・フィードバック対応 | 2〜4週間 |
スケジュールを組む際には、「公開日=完成日」とは考えないことが重要です。公開直後はアクセス増加によるサーバー負荷や、実際のユーザー操作による想定外の不具合が発生しやすい時期でもあります。公開後の初動対応期間も含めた全体スケジュールを制作会社と事前に共有し、余裕のある計画を立てておきましょう。
スケジュール管理を制作会社と共有するためのポイント
スケジュールが曖昧な場合、それぞれのタスクの締め切りが明確になりません。それが原因となりタスク漏れや全体の遅れにつながります。どのタスクを、誰が、いつまでに完了するのかを明確に表したものがスケジュールであり、担当の作業領分が明確になるためタスク管理がしやすくなります。
制作会社とのスケジュール共有には、以下の点を明確に伝えることが効果的です。
- 絶対に超えられない公開デッドライン(例:商戦期の前日)を最初に伝える
- 発注側(自社)が対応できるリソースと作業可能な時間帯を共有する
- 承認フローや決裁者を事前に制作会社に伝え、確認期間の目安を合意しておく
- 週次や隔週でのオンラインミーティングを設定し、進捗確認の機会を定期的に設ける
- スケジュール遅延が発生した際の対処ルールを契約前に取り決めておく
リリース時期から逆算して計画を立て、機能の優先順位をつけ、開発パートナーと密に連携することで、無駄な遅延を防ぐことができます。ECサイト制作は、依頼者側と制作会社側が二人三脚で進めるプロジェクトです。スケジュールの透明性を保ち、こまめなコミュニケーションを取ることが、納期通りの高品質な公開への近道となります。
決めるべきこと7 公開後の運用体制と集客計画

ECサイトは、公開した瞬間がゴールではありません。むしろ、公開後の運用体制と集客計画こそが、売上を左右する最大の要因です。制作依頼の段階から「誰が・何を・どのように運営するか」を明確にしておかないと、サイトを立ち上げたものの集客できない・更新が止まる・担当者が決まらないという状態に陥りがちです。ECサイト制作を依頼する前に、公開後の運用フローと集客の方針をあわせて整理しておきましょう。
社内の担当者と役割分担を明確にする
ECサイトの運用には、商品登録・在庫管理・受注処理・顧客対応・コンテンツ更新・データ分析など、多岐にわたる業務が発生します。これらの業務を「誰が担当するか」を事前に決めておかなければ、公開直後から現場が混乱する原因となります。特に中小企業では、一人の担当者が複数の業務を兼任するケースも多く、業務量の見積もりが甘いまま進めてしまうと、更新が滞りサイトの鮮度が落ちる事態につながります。
まず、ECサイト運用に関わる主な役割を洗い出したうえで、社内のリソースと照らし合わせながら担当者を割り当てましょう。以下に代表的な役割の例を示します。
- ECサイト責任者(全体統括):運用方針の決定・KPI管理・制作会社との窓口を担う
- 商品登録・在庫管理担当:新商品の掲載、在庫数の更新、廃盤商品の削除などを行う
- 受注・顧客対応担当:注文確認、発送手配、問い合わせ対応、返品・クレーム処理を担う
- コンテンツ・SNS担当:ブログ記事の執筆、SNSの投稿、メールマガジンの配信などを行う
- データ分析・改善担当:Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールを用いてKPIを追う
社内にリソースが不足している場合は、制作会社や運営代行会社への外注も視野に入れましょう。制作を依頼する段階で運用支援サービスを提供しているかどうかも確認しておくと、スムーズに移行できます。また、担当者が変わっても引き継ぎができるよう、運用マニュアルや業務フローを文書化しておくことも重要です。
KPI(重要業績評価指標)の設定
運用体制を整えるうえで欠かせないのが、KPIの設定です。ECサイトにおける代表的なKPIとして、月間アクセス数・コンバージョン率(CVR)・客単価・リピート率・カート離脱率などが挙げられます。これらの数値を定期的にモニタリングし、改善のPDCAサイクルを回す習慣を早期に構築することが、長期的な売上アップにつながります。
SNS運用・SEO対策・広告出稿の方針を立てる
ECサイトの主な集客方法としては、広告による集客、SEOによる集客、SNSによる集客、CRMによる集客の4つが挙げられます。これらの方法にはそれぞれ特徴があり、効果が表れるスピードや運用ハードルなどが異なります。制作を依頼する前に、自社の予算・リソース・商材の特性を踏まえたうえで、どの集客施策を優先するかの方針を定めておくことが重要です。
SNS運用:認知獲得からファン化まで
InstagramはECサイトへ直接遷移できる「ショッピング機能」も充実しており、商品訴求と購買導線の両方を構築できます。ストーリーズやリールを使えば、リアルタイムで商品紹介やセール情報を発信でき、購買意欲を刺激する効果も高いです。
商品と相性の良いSNSを選ぶことが重要です。自社の商品が化粧品やアパレルであれば、ユーザーに若年層の女性が多く、写真や動画がメインコンテンツであるInstagramと好相性でしょう。一方、ゲームや映画など、動きや音に魅力のある商材であれば、YouTubeでの情報発信が適しているといえます。SNSはそれぞれユーザー層が異なるため、自社の顧客ターゲットがどのSNSに集まっているかを事前に分析し、注力するプラットフォームを絞り込むことが効率的な運用への近道です。
いずれも共通しているのは、「SNSをとりあえず始める」のではなく、どのSNSを、何のために使うのか。どういう流れでECに人を呼れてくるのか。を整理したうえで、運用を組み立てていたことです。
また、SNS広告も数値で検証できるため、費用対効果を測定しながら運用を最適化できます。データをもとにPDCAを回すことで、集客だけでなくブランド認知や売上にも直結するマーケティングが実現します。InstagramやX(旧Twitter)、LINEなど各SNSのインサイト機能を活用し、投稿ごとのリーチ数・エンゲージメント率・クリック数を定期的に確認する習慣をつけましょう。
SEO対策:長期的に資産となる集客基盤
SEO(検索エンジン最適化)のメリットは、作成したコンテンツが資産として蓄積され、検索上位に表示されている限り持続的な流入が見込める点です。デメリットとしては、効果が出るまでに早くても数か月程度かかることや、専門的な知識・ノウハウが必要なケースが多いことが挙げられます。
SEOをうまくおこなえば、広告費をかけずに集客でき、かつ長期的な流入が見込めます。SEOのポイントは「使いやすいサイトを作成し、ユーザーにとって有益なコンテンツを、わかりやすく正確にページで紹介すること」です。具体的には、商品カテゴリページや商品詳細ページのタイトル・メタディスクリプション・見出し構成を適切に設計すること、商品に関連するコラムやガイドコンテンツを定期的に発信すること、内部リンクを整えてサイト構造をクローラーに伝わりやすくすることなどが基本的なSEO施策となります。
ECサイトのSEOは制作段階から取り組むことで効果が高まります。制作を依頼する際に、SEOに強いURL構造・ページ速度・構造化データの実装などを制作会社に要件として伝えておくと、公開後の対策がよりスムーズになります。
広告出稿:即効性のある集客手段
広告集客のメリットは、集客効果の即効性がある点です。費用をかけることで確実に広告を表示させ、ターゲティングにより関心のあるユーザーに配信できます。一方で、広告出稿にはコストが発生し、配信を止めれば流入も途絶えるため、コストをかけ続ける必要があります。
代表的なGoogle広告の1つが、「Googleリスティング広告」です。Google検索の上部や下部に検索結果のように表示される広告です。ユーザーの検索キーワードに連動した広告を掲載できるので、SNS広告と比べて、関心が高いユーザーに商品をアピールできます。もう1つ、ECサイトにおすすめのGoogle広告が、「Googleショッピング広告」です。リスティング広告と同じように、Googleの検索結果に、商品そのものの広告を掲載できます。
広告は公開直後のアクセスゼロ状態を脱するためにも有効な手段です。ただし、転換率が低い自社ECに、SNSでアクセスを流しても成果は出にくいという点を押さえておく必要があります。広告費を投じる前に、商品ページの品質・購入フローの使いやすさ・信頼性の担保(レビュー表示・会社情報の充実など)といったサイト内の転換率改善も並行して進めることが、広告投資の費用対効果を高める鍵となります。
メールマガジン・CRM:リピーター育成の施策
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客をリピーターとして育てるCRM(顧客関係管理)施策も、ECサイトの売上安定に欠かせない要素です。購入者へのサンクスメール・再購入を促すステップメール・会員限定クーポンの配信・メールマガジンによる新商品案内など、顧客との継続的な接点を設計することで、LTV(顧客生涯価値)を高めることができます。メールマガジン配信ツールとしては、Mailchimp(メールチンプ)やKlaviyoなどが国内外のEC事業者に広く活用されています。
集客施策のロードマップを作る
公開直後・3か月後・半年後・1年後といった時間軸で、どの集客施策にどの程度のリソースと予算を投じるかを整理したロードマップを作成しておくことを推奨します。たとえば、公開直後はリスティング広告で即効性のある集客を確保しながら、並行してSEOコンテンツを積み上げ、半年後以降は広告費を抑えながらオーガニック流入で成長させるという戦略が、多くのECサイトで効果的なアプローチとされています。
それぞれの集客方法の入り口の特徴をつかみ戦略を立て、集客できるECサイト運営を行うことが重要です。競合のECサイトがどのような集客施策をしているかを調査することもポイントで、商品やサービスと集客施策には相性があるため、自社の強みに合った手法を見極めることが成功への近道です。
まとめ
ECサイト制作を依頼する前に、販売商品・予算・プラットフォーム・必要機能・デザイン・スケジュール・運用体制の7つを事前に整理しておくことが成功の鍵です。準備不足のまま依頼すると、追加費用や納期遅延が発生しやすくなります。ShopifyやMakeShopなどの選択肢を比較しながら、自社に合った制作会社へ相見積もりを取り、保守サポートまで確認したうえで契約することをおすすめします。

ECサイト制作
弊社では数多くの実績から御社に適切なショッピングカートシステムのセレクトからカスタマイズを含めたECサイトの構築、公開後の更新・アクセス解析運用まで売れるネットショップになるまで伴走します。
ご質問・ご相談などありましたらお気軽にお問い合わせください
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