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ホームページを制作する上で、重要なポイントである「使いやすさ」
しかし、主観が入ってしまう制作現場で「使いやすさ」の基準を設けるのは中々難しいことです。
今回はテクニック的な使いやすさではなく、表題にあるように「見たことある=使いやすい」というロジックについて記載します。
Web担当者さんの目的が変化していないか?
ホームページ制作の現場でWeb担当者さんからよく発せられるネガティブな言葉の一つが
「何か見たことあるんですよね・・」
専門業者にお願いしている以上、見たことのない斬新なデザインを求めるクライアント様も多くいらっしゃいます。
このケースの問題点は目的が改善ではなく変更に変化してしまっている点にあります。
こういったケースのディレクションで重要なのは、最初にしっかりと目的を共有できているかにあります。
目的を共有できているのであれば、「改善したい!」から「何か変えたい!」に変化してしまいそうなクライアントを正しく導くことができますし、感覚での修正変更が限りなく少なくなり、お互いにストレスが少なくなります。
この辺はWebディレクターの腕の見せ所ですが、「見たことある」でひっくり返されるのはクライアントがわがままなのではなく、ディレクションが固まっていないのです。
なぜ「見たことある=使いやすい」なのか?
先に断っておきますが、
Webディレクターが過去の案件の使いまわしをしているから「見たことある」であったり、テンプレートデザインだから「見たことある」は「見たことある=使いやすい」に当てはまりません。
そのホームページレイアウトに根拠があるにも関わらず、「見たことがあるから違うのにしたい」という考えは危険だというお話しです。
以下に危険であるという根拠を記載します。
ユーザーに考えさせた時点で離脱率は上がる
ユーザーがホームページを閲覧し、「問い合わせをしてみよう」と思った時、どこを確認するでしょうか?
多くの方はホームページの右上を確認するのではないでしょうか?
それは多くのサイトで右上に問い合わせフォームの導線や電話番号が記載されていることを見たことがあるからです。
しかし、右上にその導線がなかった場合、ユーザーはどこにあるのか?と考えなければなりません。
この「考えさせる」という手順が最もユーザーにとってストレスになってしまうのです。
対面式ユーザビリティテスト でユーザーが「購入したい」「登録したい」「連絡したい」となった時、直感的に操作がわからなければ、とりあえずトップページに戻ってしまいます。
その割合は実に70%以上。
ユーザビリティテスト中であるから、トップページに戻ってくれましたが、この70%以上の中には「本来なら離脱するユーザー」は少なからず含まれていると考えるべきです。
重要なアクションポイントの導線はユーザーに考えさせない見たことあるホームページ構成、デザインにすべきではないでしょうか。
ユーザーに信頼されるホームページは一見凡庸
トリッキーな動きや、レイアウトのホームページはとてもインパクトがあり、ユーザーの記憶に残るホームページになりえます。
なので、ブランディング用のホームページ等、「斬新さ」を提供したいのであれば、「見たことないホームページ」を制作するべきです。
結局は使い方(目的)なのですが、ユーザーに何かアクションさせたいのであれば、シンプルな構成以上に強いホームページはありません。
特にシニアを対象とする場合が最もユーザビリティに気を使うのですが、シニア層対象ホームページで斬新なレイアウトにしている優良サイトはありません。
まだ「Web2.0なの?」と言いたくなるほど、「見たことある」を追求しているサイトが非常に多い。
これは一瞬でも「わからない」という感情を植え付けてしまうと、シニア層は不安から逃げてしまうからです。
ユーザーからの絶対的信頼感を獲得しているホームページは往々にしてレイアウトは一見すると凡庸です。
「見たことある=使いやすい」というホームページ制作のロジック
ここまで真面目に書いてきましたが、私個人的にはトリッキーなホームページは好物です。
元々FLASHが大好きだったので、何か動かしたい、変わったことしたいという欲求は強い方です。
しかし、そういったホームページは成果を上げるために運用する上では、とても難易度が高いホームページになってしまいます。
特に色んなホームページを閲覧して、勉強しているWeb担当者こそ、変わったことをしたがってしまいます。
「目的」と「ユーザー目線」を重要視してみると「見たことある=使いやすい」ロジックはご理解していただきやすくなるかもしれません。